研究情報

稲作におけるカニ殻分解微生物を用いた新規農業用微生物資材の開発

研究者

草桶秀夫(代表者、環境・食品科学科 教授)

研究内容

 微生物Paenibacillus sp.IK-5株(以下IK-5と呼ぶ)は、カニ殻の主成分であるキチンを分解するキチナーゼを生産する。これまで、IK-5が生産するキチナーゼの構造と機能について研究を推進してきた。また、IK-5は、稲や野菜類の生長を顕著に促進することを見出している。
 本研究は、カニ殻粉末と微生物培養液からなる微生物資材を用い、新規なバイオ肥料(植物活力剤)の開発に取り組むものである。本研究では、カニ殻とともに微生物IK-5の培養液を水田に散布することによって、稲の生長を促進する植物活力剤を開発する。本研究の実施によって、商品化への道が拓かれ、世界市場における開発商品の需要は、膨大な量が期待される。
 本研究では、専業農家の水田を利用し、微生物資材を稲作時に散布し、稲の生長を評価するとともに、収穫された米の味を評価する。福井県はカニの名産地であり、本研究は、福井県の産業活性化に寄与するものと考える。


研究に用いるカニ殻

微生物の培養液