研究情報

福井工業大学学内特別研究費「福祉機器・介護ロボット研究開発プロジェクト」(平成26年度〜平成27年度)

1. 目的

 少子高齢化社会の現状を受けて,実用的な福祉機器・介護ロボット機器および福祉環境を研究開発する.

2. 背景・意義

 団塊世代が高齢者となることで,平成25年には4人に1人が高齢者という時代になった.社会保障費の増加のみならず,介護負担の増加も懸念される.厚生労働省が平成22年に行った調査によれば,介護者の割合は,同居の家族(配偶者や子供等)の介護が64%となっており,老老介護も多く発生していると考えられる.
 この問題を受けて,介護現場にロボットを導入することで要介護者の自立支援や介護従事者の負担軽減を実現しようという気運が高まっている.平成25年より経済産業省は「ロボット介護機器開発・導入促進事業」を開始し,平成26年度5月28日時点で51件の企業が事業採択されている.大学ではしかしながら,実用的な介護ロボット機器はいまだ開発されていない.日本機械学会では本クラスタのアドバイザーによって,「リハビリ・介護・メカトロニクス研究会」が立ち上げられ,大学における介護ロボット機器開発の土壌を開拓している.



3. 研究テーマ・メンバー

研究テーマメンバー(所属)役割
福祉機器・介護ロボットの機械設計,制御系設計原口真(M)研究代表者
福祉機器・介護ロボットおよび福祉環境に関わるデザイン西尾浩一(D)共同研究者
福祉機器・介護ロボットのヒューマンインタフェース西田好宏(E)共同研究者
福祉機器・介護ロボットの研究開発小沢康美(M)共同研究者
各種のアドバイスを行う古荘純次(K)アドバイザー

4. 研究内容(最終年度までの各年度の実行内容)

H26年度
・福祉・介護業界における製品や研究開発品の動向や,ロボット機器に対する需要を調査する.
・上記の調査結果に基づいて,開発する福祉・介護機器を企画する.
・福祉・介護機器の設計・製作を行う(1次試作機).
H27年度
・1次試作機を福井県内の施設に持ち込み,使用感を調査する.施設は研究メンバーと以前より付き合いのある福井総合病院や福井県済生会病院,花園在宅介護センターを主に想定している.
・上記の使用感調査から改良箇所を抽出し,1次試作機の改良を行う.大規模な修正の必要があれば2次試作機を製作する.以上の開発状況を学会などで発表する.




5. クラスタ活動計画

・月に1回の定例会議を開催する.その会議においては,相互に進捗をフォローする他,関連技術動向についての調査データを各自持ち寄り,データベースとして記録し,研究の方向性の議論に活用する.
・クラスタ研究の成果を講演会・シンポジウムなどにおいて発表し,さらに,研究成果がまとまった段階で,論文誌に投稿する.これらにより外部資金審査で重要となる研究業績を積み重ねる.

6. 予算

H26(予算)H27(予算)合計
研究費(千円)5600560
その他(千円)1,9303,2405,170
合計2,4903,2405,730

7. 期待できる研究成果

・研究活動成果の学外への発信
・少子高齢化社会への貢献,福祉・介護業界へ新たな需要を提供することによる日本の産業界への貢献

8. 外部資金獲得計画

・科研費(基盤研究、萌芽研究),A-STEP,R&D推進・研究助成事業など