研究情報

次世代の教育手法及び教育用ICT基盤技術の研究(平成23年度~平成25年度)

1. 目的

情報通信技術(ICT)の急速な進歩による外部環境変化、及び問題点に対応した新しい情報教育手法の提案、及びICT基盤技術の研究開発と成果の情報教育への適用を行う。

2. 背景/意義(他研究機関の状況/独自性)


ICTの進歩により情報教育を取り巻く環境は急速に変化しているが、それとともに技術のブラックボックス化も進んでいる。このため、今後、日本の技術開発を担うべき生徒・学生の意識も技術より、技術が実現するサービスに移る傾向(技術離れ)が見られる。しかし、基礎技術の正しい理解なくして、新しいサービスを提供する技術は誕生しない。以上の状況から、高等教育機関である本学において、ICTの特徴ある研究開発を推進すると共に、新しい情報社会に素早く対応する情報教育システムの提案及びその発信は、社会的責務の一つである。
本クラスタ研究を実施することにより、情報化社会やそこに必要な情報教育の将来ビジョンの共有を図り、総合的な視点からメンバー各自の研究を見直すことにより、さらなる発展が見込める。

3. 研究テーマ/メンバー

研究テーマメンバー(所属)役割
1無線メッシュネットワーク技術の研究鹿間 敏弘(E)リーダ
2次世代光ディスクの研究藤田 輝雄(E)
3ヒューマンインタフェース技術の研究西田 好宏(E)
4データフュージョン技術の研究石野 正彦(K)
5新しい情報教育教材の教授内容選定と授業実施大熊 一正(K)サブリーダ
6新しい情報教育教材のアンプラグド化の提案魚崎 勝司(K)
7新しい情報教育教材の作成と授業実施山西 輝也(K)
8授業実施とアンケート解析杉原 一臣(K)
9組み込み教材への発展の試行金江 春植(E)

4. 研究内容(最終年度までの各年度の実行内容)

研究テーマ1:ネットワークシミュレータによる無線メッシュネットワークを用いた場合のTCPの性能評価(H23)、トランスポートプロキシ間プロトコルの改良(H24)、Linuxへの実装(H25)

研究テーマ2: HDSSの焦点制御サーボの動的評価、光学系収差の焦点制御サーボへの影響評価(H23)、HDSS光学系のモデル化(FFT、BPM)、記録ホログラムの焦点制御サーボへの影響評価(H24)、ダイナミック実験光学系を使ったサーボ特性の詳細評価(H25)

研究テーマ3:認識可能な文字をひらがな数字からアルファベットにも対応する(H23)。認識単位を1文字単位から複数文字、単語単位を可能にする(H24)。かな漢字変換方法なども含めた操作を実現する(H25)。

研究テーマ4:ユビキタスシステムの研究領域でデータフュージョン技術を活用したITC教育用モデルの構築(H23)。ITC教育用システム実装化実験(H24、H25)

研究テーマ5〜9:教育プログラムの枠組みを立案し、これに基づいてアンプラグラグドな教材開発を行う(H23)。アンプラグド教材の意見交換コミュニティを形成し、教材に対する評価のフィードバックを受けつつ、教育プログラムの補完、教材の改良、コミュニティの拡大を図る(H24)。開発教材をパッケージ化し、コンテンツとして一般公開する(H25)。

5. クラスタ活動計画

  1. 月に1回の定例会議を開催し相互に進捗をフォローする。
  2. 情報教育を中心に関連技術動向について調査し、研究の方向が適切か議論する。議論を情報教育に関する将来ビジョンとしてまとめる。
  3. クラスタ研究の成果を学会(研究会、シンポジウムなど)において発表し、さらに、研究成果がまとまった段階で、論文誌に投稿する。これらにより科研費審査で重要となる発表実績を積み重ねる。
     

6. 研究スケジュール/予算

研究スケジュール

H23H24H25
情報教育手段に
関する研究
論文調査
アンプログドな教材開発
教材の改良
意見交換コミュニティの形成
教育用コンテンツ公開
教育用ICT基盤技術開発論文調査
方式検討
シミュレーション評価
方式改良
シミュレーション評価
学会発表(研究会)
方式改良
実機評価
学会発表(研究会・論文)
研究成果の教育
への展開
ETロボコン
ICTの教育への適用検討
モデリングに関する教育方法
ICTの教育への適用試行
ソフトウェア工学や実験など
実際の授業への適用
情報教育に関する
将来ビジョン
情報教育の問題点及び課題の調査情報の基礎教育に関するビジョン情報の専門教育に関するビジョン

予算

H23(実績)H24(予算)H25(予算)合計
設備費(千円)6621250770
研究費(千円)2,1732,1172,2307,515
その他(千円)1,1472,0171,9925,664
計(千円)3,9824,2594,22213,949

7. 期待できる研究成果

  1. 新しい情報教育手法の提案及びその学外への発信
  2. 産業界が期待する組込みシステムの教育強化
  3. 空中手書き文字認識などICTを活用した新しい教育システム

 

8. 外部資金獲得計画

科研費(基盤研究、萌芽研究)、A-STEP、民間及び地方公共団体による教育支援費