創成科学

平成24年度創成科学Ⅱ 受賞者一覧

平成24年度創成科学Ⅱの受賞者が決定しました。
創成科学の受賞者は、レポートの査読などにより選ばれた学生の中から決定されます。平成24年度創成科学Ⅱでは6名の学生が「創成科学優秀賞」に選ばれました。

受賞名学科・専攻氏名テーマ指導教員
優秀賞電気電子情報工学科野沢 志帆月の熱電波について青山 隆司 先生
優秀賞機械工学科糸井川 玲央輪ゴムの強さについて冨田 佳宏 先生
優秀賞機械工学科山田 祥平ゆでた野菜を温かく食する条件羽木 秀樹 先生
優秀賞デザイン学科花立 優里大学内の落書きについて西尾 浩一 先生
優秀賞経営情報学科西村 叡紀何故「0」だけ英語のゼロと読むことが
多いのか
魚崎 勝司 先生
優秀賞原子力技術応用工学科加藤 直暉多面体サイコロの確率の収束尾崎 禎彦 先生

総評

 創成科学の授業で学生に期待されるのは「創造力」で、学生自らの意思で新しいものに挑戦したり、新たな価値の発見に努めてもらうわけであるが、特に教科書らしきものがあるわけでもなく、その方法は学生自らの意思に任せている。その意味では15回の授業の回数というのは最低限必要な回数であっても、十分すぎる回数ではないかもしれない。しかし、毎回各学科から優秀賞候補として推薦されてくる研究レポートを見てみると、「テーマ」自体に独創性が見られたり、検討や実証に十分時間を取っているのが感じられたりなど、その質はかなり高く、こうした心配はとりこし苦労のようにも思えてくる。
 さて、今回の審査では各学科から推薦のあった学生の研究に対して評価委員による評価を行い、その結果を集計して、その中から上位6名を優秀賞対象学生として選出した。選考対象となった学生の研究はいずれも評価が高く、選ばれた学生と選考に外れた学生との間に大きな差があったわけではないが、対象者をある程度絞らざるを得ないためそのようにさせてもらった。
 今回の審査で、選ばれた研究のテーマを見ると、「輪ゴム」、「ゆでた野菜」、「0という数字」、「サイコロ」や「落書き」など日常生活のなにげない部分をユニークな視点から研究対象に取り上げているのが目立つ。これらの研究の多くは実験やアンケート調査などで科学的に検証をおこない、裏付けを取っている部分も評価できる。丁寧に根気よく実験し、結果を出している研究もあり、その分評価も高かったように思える。
 その一方で、審査の中で、レポートの書き方や実験のまとめ方について、測定した量の単位が抜けていたり、節の番号がついていなかったり、合理的に結論を導くにはデータ不足の感があったりなど、基本的な部分や細かい点でもの足りないレポートもいくつか見られた。15回授業という時間の制限の中ではやむを得ない部分があるかもしれないが、やはり、わかりやすく丁寧で説得力のあるレポートを作成していくには、基本的で細かな点にも注意を払う努力が必要である。これは学生のみならず、指導する教員の側にとっても、今後の検討課題として残るであろう。