熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.19
経営情報学科4年
前川 翔太
theme:雨水活用の可能性

平成24年の11月に沖縄県座間味村で行われた第20回日本雨水資源化システム学会大会で研究を発表し、「優秀発表賞」を受賞した経営情報学科4年の前川翔太さん。「笠井研究室での研究やさまざまな活動を通して、とことんやり遂げる面白さを実感し、充実した学生生活です。」と笑顔で語る。

日本雨水水資源化システム学会大会で「優秀発表賞」を受賞


第20回日本雨水資源化システム学会大会で発表した「雨水活用装置を用いた都市型洪水緩和システムの評価」は、ゲリラ豪雨の前に雨水タンク内の雨水を排水し、雨水貯留効果を最大限に高めた上で雨水を一時的に貯め、徐々に流すことで洪水緩和に利用しようというもの。パソコン上でシミュレーションし、どれだけ効果があるかを数値で示した。通常、雨水タンクは渇水対策とか環境負荷削減を目指す目的で使用されるが、他にも何かに利用できないかと始めたのがきっかけだ。

前川さんはこれまでに学会発表を4回経験しているが、受賞は今回が初めて。「発表には自信がなかったので、すごく驚いています。」と受賞を謙虚に受け止めている。発表した学生はほとんどが大学院生で、学部生はごくわずか。その中でのうれしい受賞だった。

充実した大学生活にしたかったから決めた笠井研究室


小学生のころからパソコンが大好きで、大学ではプログラミングを学びたいと志望したのが経営情報学科だった。自分の希望通り、講義では1年次からプログラミングの基礎から応用までみっちり指導を受けてきたが、3年後期になって「プログラミング能力は身に付けたが、自分オリジナルのプログラムはまだ作っていない。このままでは面白くない。」とあせりを感じる中、4年次に配属される研究室を選択するための研究室紹介の時期を迎えた。この時、出会ったのが経営情報学科の笠井利浩准教授の研究室だった。「笠井先生が“ここで何か一つやり遂げよう”と熱心に説明してくださった。この先生のところでなら、何かやれそうだ!と期待がふくらみました。」

雨水活用が研究テーマ


笠井先生は「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の考え方をベースに、水資源開発や洪水緩和など多方面から雨水活用についての研究を行っている。前川さんの研究テーマも雨水活用に関すること。「プログラムが作りたかったので当初から研究の方向性にはこだわりはなく、たまたま研究室に雨水や洪水というテーマがあったので、雨水というテーマが初めてでもすんなり取りかかれたのではないでしょうか。」と過去を振り返る。現在も、プログラムをひたすら作り続け、パソコン上でのシミュレーションを行う研究の毎日が続いている。
しかし、笠井研究室はパソコンや机に向かっての研究だけではない。大学近隣にある東安居小学校と連携し、全国でも非常に珍しい小学生向けのライフサイクルアセスメントに基づく環境教育にも取り組んでいる。小学校では“雨水活用装置”や“緑のカーテン”を環境教育用教材にした授業や実習を行い、昨年は児童と共にゴーヤやヘチマ、アサガオの苗を植えて、横幅18m、高さ10mの緑のカーテンを完成させた。「いい経験でした。小学生から逆にいろんな刺激をもらうこともあります。研究の幅も広がりますし、実際に自分の目で確かめることもできる。とても面白い。」と笑顔を見せる。

学会発表を通して変わる自分


「大学生の間に様々な経験を積んでほしい。」と笠井先生は学生に学会等での発表を勧めている。前川さんもこれまでにいくつかの学会に参加している。「学会発表で大切なのは、時間内にきちんとまとめること。伝わらないと意味がないので難しい内容もわかりやすく説明すること。」とその難しさを話す。しかし何より大変だったのが、人前で発表することだった。「中学、高校でも人前で発表するときはガチガチで話せなかったくらい、人前で話すのがすごく苦手だった自分。だから最初の発表でめちゃくちゃ緊張しちゃって…。でも不思議なんですよ、2回、3回と発表の機会が重なるうちに楽んで発表できるようになってきました。今は、すすんで発表できます。それに人と話すのが楽しくなりました。以前はどちらかというと人見知りするタイプでしたが、学会ではいろんな方から受けた質問に答えなければいけないし、名刺交換や情報交換も行います。だからでしょうか、積極的に人と関われるようになりました。」と話す。自身が変わっていくのを頼もしく感じているように見えた。

充実感だけじゃなく、自分の成長を実感


笠井先生から多くの影響を受けたという前川さん。「とにかく熱心で頑張る方。何事にも真面目にとことん取り組む姿勢を学びました。これまではすぐにあきらめてしまうところがありましたが、今は最後までやり遂げられるようになりました。特にプログラミングは根気のいる作業で、10,000行プログラムを書いても間違いがあればイチから見直さないといけない。忍耐力のいる作業ですが、問題解決ができて完成した時は爽快です。研究室での体験を通じて、ますますプログラミングが好きになりました。」と熱く語る。

一つのことをやり遂げた後に感じ取られる達成感や充実感を経験し、この1年で大きく成長を遂げた前川さん。取材時には「人前で話すのが苦手だった」という姿はなく、凛とした頼もしい姿が印象的だった。



学年学科名等は、取材時のものです。