FILE No.049

学友会

建築土木工学科3年

姉川 凌雅

新入生歓迎会や大学祭など、大学で行うイベントを学生自らが企画・運営する学友会。その学友会の一員として様々な活動に取り組んできた建築土木工学科3年の姉川凌雅さん。現在、大学祭実行委員長として、秋に開催される福井工業大学大学祭の準備のため、夏休み返上で作業に追われている。

高校生の時に知った「学友会」という存在


「どうしたら学友会に入れますか?」
入学間もなく姉川さんが向かった先が学務課だった。

高校時代はサッカー部に所属するものの、2年生の時に退部。それからというものはやることもなく、暇を持て余すばかり。「何をやってもダルかった」と振り返る。
そんな時、友人から誘われたのが生徒会だった。
「もともとボランティアなんかにも興味がありました。他の人のために頑張るのもいいかも」。やるたびごとに達成感が感じられ、夢中になった。
そんな彼の姿を見て、卒業間際に担任の先生から勧められたのが学友会だった。「福井工業大学には学友会があるので、行くならやってみたら。良い経験になるよ」
そう教えられた彼は、「大学生になったら学友会に入ろう」と決めていたのだ。

上級生の姿を通してやるべきことを吸収


初めての仕事は、毎年5月の中旬に行われる新入生歓迎のためのイベントである五月祭の準備だった。しかし、入ったばかりで何をしていいのかわからない。1年生は、ただ言われたことを手伝うだけ。それでも姉川さんは雑用でもなんでも積極的に引き受け、やることがなければ上級生のそばに付いて、彼らの取り組みを見続けた。何をすべきかを学ぼうと必死だった。
「1年生の時に何を見て、先輩のやることを吸収しているかで、その後のすべきことが分かってくるんです。ただ、ぼーっとみているだけではダメなんですね」。上級生になった今、改めて実感しているという。

後輩や同級生の頑張りに励まされ

2年生の時の大学祭では、模擬店をまとめる責任者を務めることになった。この年は模擬店の出店数が過去最高に。限られた敷地の中にむりやり各テントを詰め込む形となり、学生からクレームが飛びこむことも多かったという。「あらかじめルールブックを作成したり、説明会を開催するなどの対策は行っていたのですが、こういう情報は隅々にまで行き渡らないものなんですね。様々なクレームに対応するのに苦労しました」。大学祭終了後の後片付けでもルールを守らない学生といい合いになるなど、激しい一面をのぞかせた姉川さん。なかなか思うように事が進まず焦ったり、つらい思いをしたこともあったが「後輩や同級生が一致団結してがんばっていたので、それに負けられないって思いました。最後までやりきれて本当によかった」と話す。
そして大学祭終了後、「もっと経験を積みたい」と学友会総務委員長に立候補。大役を務めることになった。


大学祭実行委員長として奮闘

今年5月、周囲に勧められて大学祭実行委員長も務めることになった。年間行事の中でも10月に開催される大学祭は一大イベント。企画・準備・運営はすべて大学祭実行委員会の仕事だ。「今までは与えられた役割を果たせばよかったけれど、委員長になったからにはみんなを引っ張っていかなければいけない」。身の引き締まる思いだった。
就任後、すぐに準備にとりかかった。去年の反省を活かし、今年はより良いものにしたいという思いでいっぱいだった。

姉川さんに話を聞いたのは8月上旬。夏休み返上で準備に追われている真っ最中だった。
「関係各所へのあいさつやCM制作などやるべきことがいっぱい。実行委員長の僕が指示をして、他のメンバーが各々で動いてもらう。何かあれば僕が穴埋めをする、というのが理想なんですが、メンバーに欠員がでるなど、案外うまく回らない。苦労しています」というものの、その顔に焦りはない。
今年の大学祭のテーマは『激動』。「テーマのように、せっかくなら一度思い切ったことをしたい」と意欲に溢れていた。


リスクを恐れずチャレンジしていきたい


学友会に参加して変わったことがあるという。
「もともと口数が少ないタイプ。今日は割と話せているでしょ?学友会ではいろんな行事をいろんな人と関わりながら進めていかなければいけないので、黙っていては何も始まらない。今は話すことが恥ずかしいと思わなくなりました」と笑う。
「今まで辞めたいと思ったことはあります。でもここまで来たからには、やりきるしかない。うちの学友会は、チャレンジ精神が少ないと思うんです。みんな大人しいんですね。大学祭でも学校側との交渉ですぐ折れてしまうことも。でもきちんと説明すればわかってくれることも多い。いろんな相手と渡り合うことが必要なんじゃないかな。多少のリスクを恐れていてはだめ。失敗しても、次に活かすことができるはず。このままだったら何も変わらない。だから僕はもっと挑戦していきたいと思っています」。その言葉には、「大学を、学友会を盛り上げたい」という強い思いが溢れていた。


OTHER FILES

その他の記事

一覧に戻る