FILE No.032

オープンキャンパス・プロジェクト リーダー

環境生命化学科2年

橋脇 拓也

学生がオープンキャンパスの企画・運営に携わっていこうという『オープンキャンパス・プロジェクト』がスタート。「オープンキャンパスを盛り上げて、福井工業大学の良さ、学生生活の楽しさを伝えたい」と話すのはリーダーを務める環境生命化学科2年の橋脇拓也さん。「オープンキャンパスでこの大学に決めたと思ってもらえるようにしたい」との思いが強いメンバーが集まり、オープンキャンパスがより充実したものに変わり始めようとしている。

オープンキャンパスをもっと盛り上げていきたい

4月から本格始動を始めた『オープンキャンパス・プロジェクト』は、司会や受付、誘導などの他に企画の提案にも関わっていくなど、学生主体でオープンキャンパスを盛り上げていこうという学生プロジェクト。これまでは大学主体で実施されており、学生は大学をサポートするスタッフとしてバイト感覚で参加していた程度。
「お手伝いだけじゃ、やっている側も面白くない。大学の良さ、面白さを学生ならではの目線で伝えていけることがあるはず。訪れた高校生が福井工業大学に入学したいと思ってくれるようなオープンキャンパスにしていきたい」。プロジェクトリーダーである橋脇さんのやる気が伝わってくる。


サポートだけじゃつまらない、自分たちも関わりたい 学生も関わる運営を


高校の時に様々な大学のオープンキャンパスに参加。学生が企画したイベントにも参加し刺激を受けたという。「現役の大学生と話をして、大学生活って楽しいんだということを知ることができました。自分も大学生になったら、スタッフとして活動したいと思っていた」。だから入学後は迷わずオープンキャンパスの学生スタッフとして参加した。
しかし、現場は思い描いていたものとは異なってみえた。午前中は来場した高校生や保護者の対応に追われるが、午後になると人はまばらになり、学生スタッフは時間を持て余す。来場者がいなくても学生スタッフは待機していなければならない。そんな中、スタッフ同士で話題にあがったのがオープンキャンパスのあり方だった。「もっと自分たちも関わっていきたいということ。高校生に伝えたいことはもっとある。もっと面白くするにはどうしたらいいか。考えた結果、学友会のようにプロジェクトを立ち上げたらいいんじゃないかということになったのです」。
大学と話し合った結果、誕生したのが『オープンキャンパス・プロジェクト』だった。

リーダーとして積極的に関わりたい


メンバーは1年生20名、2年生16名、4年生2名の計38名。2年生は1年生から引き続き参加しているメンバーがほとんど。スタッフとして経験を積んでいるため2年生主体で活動を開始する。橋脇さんは積極的に関わりたかったからと、メンバーをまとめるリーダーをかって出た。メンバーの意見をとりまとめ、大学担当者と話し合い、何ができるかを決めていく。「各学科の先生方や大学職員など様々な人が関わっているということ。学生で何ができるかを探りながら進めています。大人の意見とのすり合わせは案外大変なんですね」と笑顔をみせる。

初めての試み、OCブース


4月からプロジェクトとして新しく取り組み始めたのが『OCブース』。学生スタッフが待機し、自由に大学生と高校生がフランクに話し合える場だ。「高校生って勉強のことだけじゃなく、学生生活や学生寮、一人暮らしについても知りたいもの。大学生から生の声で伝えられることの意味は大きい。僕も高校生の時にここで原子力技術応用工学科の人と話をしてすごく楽しかったという思い出がある。聞くことすべてが新鮮で刺激になりました。スタッフの印象もすごく良かった。これもポイント高いですよね」。実際、スタッフと話をする高校生は実に生き生きとしているのだ。

新しくスタートOCブースだが、知名度は今ひとつ。なかなか高校生が集まってくれない時もある。「PR不足は明らか。ただOCブース自体はうまくいっているという手ごたえがある。あとはどれだけ高校生にアピールできるかですね」と焦りはない。

少しずつ変わり始めるオープンキャンパス


昨年までは、毎回担当する役割が変わり、その度に混乱することもあった。今年は役割ごとにリーダーを配置し、そのリーダーが1年生スタッフの面倒をみるという体制を整えた。おかげでメンバーがスムーズに動けるようになった。
オープンキャンパス終了後は、高校生や保護者からの意見を吸い上げ、次への改善につなげられるよう反省会は欠かさない。
「もっと良くしていこう」というメンバーの意識は高く、まっさらの状態からスタートしたプロジェクトだが、少しずつだが確実に進化し始めている。

プロジェクトで広がる人とのつながり

「昨年のオープンキャンパスの雰囲気が良かったので入学を決めたという学生が、今メンバーとして活動していますよ」というように、4月からメンバーに加わった1年生は、自ら希望して参加しているメンバーが多い。しかし全員が同じスタンスという訳ではない。取り組む姿勢にも温度差がある。しかし、橋脇さんは強制することはない。
「できる限りのことはやってもらいたいと思いますが、焦らず、その子に活躍してもらうにはどうしたらいいかを考えています。せっかく一緒にやることになったのだから、仲良くやっていきたい。大学生活では、他の学科の学生や先輩後輩とからまない人もいる。でもぼくは、昨年のスタッフ経験とこのプロジェクトを通じて、全学科に友達ができて世界が広がった。いろんな学科の人と集まって何かをやり遂げるって面白いなって。オープンキャンパス以外でも楽しい時間を過ごせるようになった。だから2年生になっても団結し、プロジェクトとして続けていられるんです」。
自分の大学を盛り立てていこうとする若者の姿は実に頼もしく、見ていてまぶしいくらいだった。


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