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大学を盛り上げ、学生を支える学友会活動で、自分自身も成長

工学部 建築土木工学科 4年

平木 航太

建築土木工学科・建築コースで学びながら、1年生から学友会活動を続け、現在は会長を務める平木さん。3年生からは、オープンキャンパススタッフリーダーとしても活躍している。大学祭の企画・運営や学友会全体の取りまとめなど、これまでの活動を通して学んだことや、今後の目標などについてうかがった。

イベント開催とクラブ活動支援を担う学友会

福井工業大学の学友会は学生全員で構成され、大学祭をはじめとするイベントの運営や、クラブ活動をサポートするメンバーとして約30人が活動している。メンバーは、総務、体育部会、文化学術部会、応援団の4部門に分かれています。体育部会、文化学術部会は、クラブ活動で使用する各種道具の購入費や遠征費用の申請事務などに当たり、これら全体を統括するのが総務である。毎週水・金曜日に開く定期会合では、経費関係の連絡や行事の進捗確認などを行っている。

平木さんは入学間もなく学友会活動をスタート。「高校時代は運動部だったので、大学では運動以外のことをやってみたいと思っていました。学友会の先輩が誘ってくださったのをきっかけにメンバーとなり、今に至っています」。

メンバーが1年で最も多忙を極めるのは、秋の大学祭に向けて準備を進める時期である。新型コロナウイルスの影響で2020年は中止、2021年は12月に延期となったが、これら不測の事態への対応にも時間と労力を要している。「大学祭が近い時期は、準備やさまざまなことに全員で集中します。でも、それ以外のときは、クリスマスイベントなど小規模の行事を行いながら、先輩や後輩と交流を図るなど、比較的余裕を持って活動できています」。



大学祭の企画・運営に取り組みながら、自らの成長を実感


学友会活動のメインである大学祭では実行委員会を設け、準備と当日の運営に当たる。芸能人などを招くアーティスト担当、当日の見回りや模擬店の状況把握・整理を行う庶務、ステージイベントを担当する企画、パンフレット制作、これらをまとめる総務の5部門に分かれて取り組む中、平木さんが1・2年生のとき担当したのは、先述のようにステージイベントの企画だった。プログラムは、みんなが参加しやすく、見せる人も見る人も楽しめる物を選択。3年生で会長だった2021年は、新型コロナ感染防止対策のため学内限定で開催した。「接触や飛沫発散の心配がないものは何だろうかと皆で話し合いました。その結果、カラオケは外し、接触が少ないビンゴ大会をメインにしたり、それまで小規模だったeスポーツを大々的にイベント化し、参加型のプログラムに変えました」。

1年生だった2019年のステージイベントでは司会進行を担当。この体験が今も大きな思い出として残っていると話す平木さん。「1・2年生は、『経験が大事だぞ』と先輩にアドバイスされ、司会進行を任されます。それまでの僕は、人前で話す経験がほとんどなかったので、最初は緊張しました。いざやってみると次第に気持ちが軽くなり、会場の人に話しかけたり質問したりすることも結構できたので、僕自身も楽しむことができました」。学友会活動では、メンバー同士はもちろん、大学への連絡のために職員と接する機会も多く、その中でコミュニケーション力が養われていく。平木さんも、司会進行の経験と日々の活動を通し、コミュニケーション力の向上という自身の成長を実感している。

3年生で会長となってからは、総務の責任者として活動全体に目を配り、統括する立場になった。経費支出の報告など各部門から出される情報を整理して大学に提出し、部門ごとのスケジュールを確認する。メンバー同士あるいはメンバーと職員との伝達を正確かつスムーズにするため、口頭伝達のみならず、メール連絡の徹底も図っている。
 

オープンキャンパスのスタッフリーダーとして活躍


入学希望者や保護者を対象に大学見学と説明会を実施するオープンキャンパス。福井工業大学では2022年5月から11月にかけて6回開催される予定だ。3年生からオープンキャンパススタッフリーダーも務める平木さんは、来場者の前で学生代表としてスピーチをしたり、学生スタッフのとりまとめに当たっている。スタッフは約15人。テント設営などの作業もあり、手が足りない場所を手伝うなど、全体の様子を確認しながらスムーズな運営に注力する。「一人で歩いている高校生を見かけたときは声をかけます。説明会で質問できなかったことを聞き回答したり、県外からの参加者には、一人暮らしの楽しさと大変さを、僕自身の経験も参考にしながら話したりしています」。学科ごとの詳しい説明は、その学科に所属するスタッフに委ねるなどで対応し、参加してよかったと思ってもらえるオープンキャンパスになるよう心がけている。
 

学友会活動で身につけたコミュニケーション力は社会で生きる


イベント準備の時期に大変なのが学業との両立である。建築を学ぶ平木さんは、設計の課題もあり、時間のやり繰りに苦労することも。「例えば家1軒を丸々設計すると、かなり時間がかかります。両立が難しいときは、副会長などに『今日はこの報告があるだろうから、頼むね』とか『ごめん、今日欠席するけど、最後に顔は出しに行くよ』と事前に伝え、課題を優先することもありますが、極力そうならないよう計画を立てて取り組むようにしています」。

「大学祭やオープンキャンパスなど、自分たちが準備して進めてきたことを、学生をはじめ多くの人に喜んでもらえるのは本当にうれしい」と語る平木さん。その喜びは、仲間や大学職員とのコミュニケーションや、司会進行など新たなチャレンジを経て得られたことも実感している。また、就職活動を通じて感じているのも、コミュニケーション力の重要性だ。「“求める人材”について、多くの企業が挙げているのが“コミュニケーション力のある人”です。この力を学生時代に養うには、学友会やオープンキャンパススタッフの活動が役に立つと思っています。コミュニケーション力に自信がない人や、今の自分を変えたいと思っている人は、ぜひ挑戦してみてください」と後輩へメッセージを送ってくれた。

卒業後は、建築関係の企業への就職を希望し、建築士の資格取得も目指している。「就職先では大学で習ったことを生かしつつ、新しい知識や技術を学んでいくことになるので、一から勉強する気持ちで頑張ろうと思います。建築物は自分一人の力で建てられるものではないので、さまざまな人と協力しながらやっていきたいです」。前向きで、他者との関係を大事にする姿勢は、学友会活動によって一層豊かに育まれたようだ。


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