熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.77
原子力技術応用工学科2年
織田 信亮
theme:岐阜オープンクラシック優勝

2019年4月に岐阜県各務原カントリー倶楽部で開催された岐阜オープンクラシック。前回優勝の石川遼をはじめトッププロが熱戦を繰り広げる中、今回の優勝を飾ったのが織田信亮さんだ。35年ぶりの2人目のアマチュア王者となった。

物心ついた時からクラブを握る

ゴルフは3歳から始め、気づいた時にはクラブを握ってボールを打っていたという織田さん。父親と一緒にゴルフショップへ行き、自身がジュニア用のクラブに興味津々だったのを見て、プラスチックのクラブを買ってもらった。それから練習を始め、小学1年生からすでに大会に出場するようになった。その腕前はすぐに花開き、全国大会で優勝することもあったという。体を動かすのが何よりも好きだった織田さんは、ゴルフ以外にもバスケや体操、水泳やエレクトーンなど幅広い経験を積んだ。中学生になってからはゴルフ1本に絞って数々の大会に出場。コース距離が変わったこともあって戸惑いもあったが、全国大会に出場するなど、すっかりゴルフに夢中になっていった。

ゴルフができないのが何よりもつらい


織田さんの持ち味は飛ばすこと。飛距離で負けたことはないというぐらい自信があった。しかし、それを揺るがす出来事が起こった。それは腰の怪我を負ってしまったことだ。中学生3年生から高校1年生にかけて、約4か月間ゴルフができなくなってしまった。「今まで飛ばしていくスタイルだったんですけど、クラブを振るのが怖くなりました」。怪我が治っても、また再発したらと考えると思うようにクラブを振れなくなってしまった。それでも負けず嫌いの織田さんは、その対策として体幹トレーニングを始めた。ゴルフで必要な腰・背中・お尻などの筋肉や、下半身中心のウエイトトレーニングをすることで、体幹の筋肉を固めて腰を安定させる。「トレーニングは嫌いですが、怪我した時にゴルフができなかったのが何よりもつらかったので、がんばりました」と話す織田さん。その甲斐あって、高校3年生の時には、思い切りドライバーを振れるようになった。大学生になってからは調子が上がり、昨年は福井県アマチュア選手権や中部日本ゴルフマスターズで頂点を極めるほどとなった。

試合での緊張感が醍醐味


織田さんが大学で在籍しているのは専門性の高い原子力技術応用学科。「勉強も大変ですが、分からなくても聞いてしっかりとやり方を覚えれば大丈夫です」と言うその姿勢はゴルフでも変わらない。コーチや監督に相談することはもちろん、雑誌や本での研究や、大会に出場した際にプロに苦手なアプローチの仕方や自身のマネジメント方法など、自ら進んで話を聞きにいくことも多い。その姿からメンタル面が強いと思いきや、中学時代は試合で緊張したら結果がついてこなかったという。「本を読んだり、講習会でメンタルトレーニングの方法を聞いて実践するうちに、緊張した中でいいゴルフができることが非常に楽しいことに気づきました」。それがゴルフへのやりがいへと繋がったという織田さん。それが謙虚に出たのが4月の岐阜オープンクラシック。調子が良く、パットも上手くおさまり、初日からトップに躍り出た。その時、意識してしまうと考えていたスコアボードを思わず見てしまったが、その持ち前の緊張感を楽しむゴルフで動揺せずに見事に優勝を飾ることができた。

プロテスト合格に向けて突き進む


織田さんは今年プロテストを受けることが決まっている。5月にプレ予選、6月から8月にかけて1次・2次・最終プロテストと進み、それぞれ違う場所のコースで行なう。合格率は3〜5%といわれる非常に狭き門。さらにゴルフはコースの種類や天気にも左右される自然相手の競技。ちょっとしたことで調子が崩れてしまうことや、時には運も必要となるのでますます大変なスポーツといえる。しかしプロテストを受けるとなっても、織田さんは狼狽えることはない。「プロテストを合格してもゴルフだけで生活できる人はほんの一握りですが、さらなるステージへ進むため、自分の課題をしっかり踏まえることで、テストに臨みたいと持っています」。学生ならぬその堂々たる姿勢からは、これからもゴルフとともにしっかりと地に足をつけて生きていく、そんな未来の姿を垣間見た気がした。



学年学科名等は、取材時のものです。