福井工業大学 Fukui University of Technology

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熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.52
環境・食品科学科
大能 俊久 准教授
theme:食品開発

様々な食品が並ぶ現代、健康になるための食品への関心が徐々に高まっている。ヘルシーな玄米や雑穀が見直され、健康に役立つγ-アミノ酪酸(ギャバ)を多く含む発芽玄米など健康志向の米にも注目が集まっている。そんな中、ギャバという機能性成分に注目し、そばを使った商品開発に取り組んでいるのが環境・食品科学科の大能俊久准教授だ。

ギャバを増やす新たな方法を開発


今年(平成28年)の4月、福井工業大学に就任。それまでは、秋田県の食品研究所に勤務し、21年間にわたり米の研究を続けてきた。
5、6年程前、研究の最中に注目したのがγ-アミノ酪酸(ギャバ)を多く含む発芽玄米だった。ギャバは発芽玄米の登場とともに脚光を浴びている機能性成分で、血圧を下げる、中性脂肪を抑える、自律神経障害の改善、ストレスの軽減などが報告されている。発芽玄米は、玄米を水に浸漬して発芽させることでギャバを増やす商品なのだが、水に浸すことで特有の臭いが発生したり微生物が繁殖しやすいという問題点があった。そこで大能先生をはじめとして、水に浸漬しないでギャバを増やす方法を研究。偶然発見したのが、水に浸さなくても増やせる密封加熱法だった。
密封加熱法とは、アルミ箔を使用したパウチなどに玄米などの穀類を入れて密封し、70℃で15時間程度加熱する方法のこと。この方法で水分15%程度の玄米を加熱するだけでギャバの量を増やすことができたのだ。「ギャバの量は通常の発芽玄米とほぼ同等。しかも、微生物による腐敗や異臭発生の不安がほとんどありませんでした」。大きな成果だった。
「ギャバの量が同じなら、加熱玄米も商品にできるのではないか」。そう考え、密封加熱による玄米の商品化を目指そうと、秋田県内の食品企業へ出向き、商品化の提案を行うものの、結局は商品化まで漕ぎつくことはできなかった。「試作に手を上げてくれる企業はあったのですが、設備投資などの問題があり先に進むことができませんでした」と残念がる。

密封加熱により、そばのギャバの量が大幅アップ

密封加熱による発芽玄米の商品化の一方で、ギャバを増やす素材としてより適しているものはないかと他の穀類にも注目し、新たな研究も進めていた。「ギャバは玄米だけでなく小麦やそばなどの穀物全般に含まれる成分。密封加熱法なら他の穀物にも使用できるに違いない」。注目したのがそばだった。発芽玄米と同じく、水分15%程度のそばを70℃で15時間加熱したところ、なんと100gあたり約30mgまで増加することが判明。発芽玄米のおおよそ2倍の量だった。「想像以上のギャバの量に驚きました。発芽玄米の2倍の量なら、企業もより興味を持ってくれるはず」。商品化に向けた夢が膨らんだ。
そんな頃、決まったのが福井工業大学への就任だった。

そばどころ福井でギャバを増やしたそばをPRしたい


「福井はおろしそばで知られるそばどころ。そばが特産であり、技術も優れています。そばのギャバを増やす技術をPRする絶好のチャンス」と捉え、スタートさせたのが、ギャバを増やしたそばを使用する新商品開発だった。「そばの実はそのまま食べることができないので、メニューのバリエーションを考案する必要があります。密封加熱と、実際の調理・商品をパッケージにすれば、より興味をもってもらえるのでは」と始まった新商品開発。密封加熱は大能先生が担当、そばの実の粉砕・加工を学生が担当することとなった。「ギャバは水溶性なので茹でるとせっかくのギャバがお湯に溶けだしてしまう。まず、ギャバを逃さない調理方法の食品であること。また、密封加熱したそばの唯一の欠点が、微生物による腐敗や異臭とは異なる特有の匂いが多少あること。良い言い方をすれば香ばしい、悪い言い方をすればちょっと焦げたような臭い。このちょっとした弱点を強みに変えられるような食べ方を提案してほしいと学生に伝えました」。

商品開発担当者の評価も上々


学生たちは試行錯誤しながら様々な調理方法で試作を行ってきた。麺料理ではないものから始め、これまで「そばがき」「そばスープ」「そば団子」を作ってきた。「最初に試食したのが“そばがき”。普通のそば粉で作ったものと同じ仕上り。私はおいしく頂きましたが、学生たちはみんな20歳前後でそばがきをおいしく味わえる世代ではないでしょ。それでみんなで話し合って、甘いものの方が幅広い層に好まれるのでスイーツ系に絞ることになりました」。
ようやく形になったのが「そば団子のお汁粉風」で、そば粉に白玉粉を加えてそば団子を作り、それをお汁粉風にアレンジしたもの。「いい出来栄え。おいしいですよ」と太鼓判を押す大能先生。11月には県内の食品企業の商品開発担当者に試食をしてもらう機会を得た。試食後に「15時間加熱しているのでそばの風味が消えているのではないかと思っていましたが、そばの風味も残っていておいしい」との高い評価を得、手応えを感じたという。



来年には企業に商品化の提案を

現在学生たちは、そば粉を使用したカスタードプリンの試作に取り組んでいる。「学生からこんなものを作ってみたいという提案もある。みんな積極的で熱心。頼もしいですね。モノを作るということは、人間の根源的な好奇心をくすぐるのでしょうか」と笑顔で話す大能先生。「今後も学生たちに協力してもらいながら最終的な食品を数品揃えたい。そして、学生たちと一緒にその食品を携え、来年には県内の食品企業に出向き、商品化の提案を行いたいと考えています」と決意を語ってくれた。



学年学科名等は、取材時のものです。

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