FILE No.039

「健康都市さかい」ロゴマーク

デザイン学科3年

藤井 拓人

平成26年11月に健康都市を宣言した坂井市の健康をイメージしたロゴマークが今年3月に誕生した。これをデザインしたのが、デザイン学科3年の藤井拓人さんだ。ロゴマークは、同市が発行する封筒やパンフレットに印刷されたり、健康に関するイベントで活用される予定になっている。

親子が手を取り合うことで生まれる心の形をデザイン


坂井市役所本町別館南側の外壁に設置された健康都市宣言を記念したモニュメント(看板)の前で笑顔を見せる藤井さん。「こうやってモニュメントを見ると、改めて嬉しさが込みあげてきますね」と声を弾ませる。
このロゴマークは、「健康づくり」「笑顔」「食と運動」「長寿」「子どもから高齢者まで」などをキーワードとしてデザインされたもの。親子が手を取り合うことで生まれる心の形(ハート)をしていて、健康な心と体でイキイキと生きることや、人と人とのコミュニケーションを活性化し、健康づくりの輪を広げることを表現している。「特に色には気を使いました。緑ってやさしい色。健康に対していいイメージがあるでしょ。緑豊かな坂井市にもマッチしていると思いませんか」。

自己主張は封印。親しみやすいデザインを考案


今回の応募には、4名のデザイン学科の学生が参加した。メンバーは藤井さんと同じメディアデザインコースの同級生ばかり。「他のメンバーには負けたくない」と自然と闘争心が沸いてきた。
彼が得意とするのはアーティスティックで抽象的なデザイン。「今回は公共の場で使用されるものなので、自分はこうしたい!という自己主張はあえて封印。正直なところもっと派手にしたかったんですけどね。まずは一般に広く受け入れられ、親しまれるものを第一に考えました」。
幾つものデザインを考え、最終的に4つに絞った。「もともとは親子じゃなくて、単なる人と人を描いたデザインでした。最終的には、先生にアドバイスをいただきながら修正を加え、完成したのが、親子が手を取り合うことで生まれる心の形を描いたロゴマークです」。
約40案の中から選ばれた時は「メチャクチャ嬉しかった」という。

プロジェクト参加で成長を実感


小学生のころから絵を描くのが好きで、高校はデザイン分野に進学。「本格的にデザインを学びたい」と福井工業大学デザイン学科に進んだ。「パッケージデザインや冊子をデザインする授業が楽しくてしょうがない」と話す藤井さん。授業に向かう姿は真剣そのもの。「今はいろんなことを経験し吸収したい。昨年からプロジェクトやデザイン関連の公募に取り組み始めました」。 2年生の時は、映画『ベイマックス』のプロデューサーであるロイ・コンリ氏に、福井とベイマックスをミックさせたポスターをプレゼントするというプロジェクトに参加した。そこではグループを組み一つのポスターを制作。ソースカツ丼やカニなど福井の名産を見所にしたポスターを完成させた。藤井さんがリーダーとなり、東京でロイ・コンリ氏に直接ポスターをプレゼントするという経験も得た。「すごく興奮しました。後日、福井市内の映画館にも飾ってあったと聞いて、いろんな方の目に映ったということは嬉しいものですね。普段は一人で考え制作しますが、初めてチームでの作業に最初は戸惑うこともありましたが、みんなで話し合い、案をまとめるというチームワークも発揮でき、いい経験になりました。自分がやりたいプロジェクトがあれば積極的に参加したい」と意欲的だ。

デザイン同様、ファッションにもこだわりを


デザイン同様、ファッションにも強いこだわりを持つ。普段は黒で統一したスタイルが多く、取材当日も素材の違う黒の洋服でコーディネートした姿で現れた。シンプルな服装の学生が多い中、スタイリッシュな姿がひときわ目を引く。今は「ONE WAY」という福井県内限定で活動しているファッション・グループに所属し、オシャレ好きな人が集まり、情報共有や撮影会、オフ会などを楽しんでいる。大学構内でメンバーの一人に声をかけられたのがきっかけだ。「オシャレは大好きなので、声をかけられたときは正直嬉しかった。お互いのファッションのこだわりを話していると楽しいですよ」と笑う。
将来は「デザインに携わりたい。メディア関連の仕事に進みたい」と話す藤井さん。様々な活動や経験を通して独自の感性に磨きをかけているようだ。


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