熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.27
デザイン学科4年
松田 知佳
theme:福井国体マスコットキャラクター「はぴりゅう」デザイン

2018年の福井国体へ向け、福井県が公募していたマスコットキャラクター「はぴりゅう」のデザインに、デザイン学科4年生の松田知佳さんの作品が選ばれた。福井県の代表的なブランドの一つである恐竜をモチーフに、情熱や活発さを表す真っ赤なジャージ姿に身を包んだ親しみやすいキャラクターデザインは、4年後の国体に向け、県内だけでなく日本各地で多くの人の注目を集めていくはずだ。

初の受賞に驚きと喜び


2018年福井国体のマスコットキャラクターのデザイン公募には県内外から498点の作品が寄せられ、その中から最優秀賞に選ばれ採用されたのが松田さんの作品だ。ステゴザウルスをモチーフに、気合の入ったキリッとした表情で、目標に向かって前進する姿が表現されている。「本来ステゴザウルスにはツノはありませんが、やる気を表現するために赤いツノを付けてみたり…。架空の恐竜に近いですね。国体のキャラクターなので、ジャージと選手宣誓のポーズを採用しました」。国体への意気込みを感じながらも、どこか親しみのあるデザインが印象的だ。
これまで何度かデザイン公募に応募しているが受賞は今回が初めて。「やった!って感じ。とにかく嬉しい」と目を輝かせる。

母からの勧めで応募


応募のきっかけは、「応募してみたら?」と母親からの猛烈な勧めがあったから。最初は乗り気ではなかったが、再度プッシュされた時は就職活動の真っ最中で、気分が落ち込んでいた時期。「気分転換にいいかな」と気軽に取り組み始めることに。募集要項を見ながら思いつくままにデザインを描いてみると、アイデアが次々と沸いてきて、俄然やる気が出てきたというから不思議だ。
恐竜のモチーフは母親からの要望だった。「福井といえばやはり恐竜ですもんね」。恐竜といって真っ先に思い浮かんだのがステゴザウルスだった。背中から尻尾にかけての角が恐竜のイメージそのものだったこと、恐竜をテーマにした1年次の進級制作課題で印象に残っていたからだ。

最後まで悩んだジャージカラー


最初に描いたデザインは、形もポーズもすでに完成形に近いものだった。「ただ、ジャージの襟の形とかロゴ、大きくギョロッとした目が家族に不評だった」ので、そこから修正作業を始めたという。
キャラクターのベースは5、6パターン、カラーは全部で30パターンを考案。冷蔵庫に貼って、家族の意見を拾い、修正するのが日課になった。 最後まで悩んだのがジャージの色。1日では決まらず、3日間冷蔵庫に貼り出し家族の声を参考にした。「色は私の苦手分野。なかなか決めきれなくって。紫や青も考えましたが、最終的にやる気が出る情熱的な赤が目立つということで決めました」。
最終案は家族全員が「これしかない!」と太鼓判を押す作品に仕上がった。

マンガが私の進む道

「受賞で、勢いがつきました」という松田さんが今、夢中になっているのがマンガ制作。4年生になってから描いた作品はすでに3作品で、初めて制作したマンガは一迅社ゲーム・アニメコミック大賞の奨励賞を受賞した。「初めて本格的に描いたマンガなので、背景はほとんど真っ白。それが受賞できたのでびっくり」。
実は松田さんは2年生の後期から病気を患い、これまでに何度も入退院を繰り返している。8月1日に行われた福井国体のマスコットキャラクターの授賞式も入院中で病院から駆けつけた。「完治が難しい病気のようで、一度は死にかけたほど。その時に、好きなことはやっておかなければって思ったのです」。それがマンガだった。
もともとマンガを描きたくて、イラストを描いていた。「マンガで食べていくのって難しいからあきらめていましたが、病気で就職は困難に。自分のペースでできる仕事であること、今までやりたかったことがマンガなんですね」。

アイデアは溢れるほど次々と沸いてくるというが、「弱点は手が遅いこと。1コマに1時間かかることも」と笑う。
今、自分が進むべき道を見つけた彼女は、まっすぐな眼差しで人生の第一歩を歩み始めた。




学年学科名等は、取材時のものです。