FILE No.26

大学祭実行委員長

原子力技術応用工学科3年

垣内 祥光

福井工業大学で毎年秋に開催される大学祭。今年は節目の第50回の開催でもあり、記念企画がいくつも実施された。その大学祭の実行委員長をつとめた原子力技術応用工学科3年の垣内祥光さん。「やらなかったから、できなかった」という後悔だけはしないように、できることは全部やろうと取り組んだ。「50回目という節目を迎えた大学祭に携わることができて、誇りに思っています」。

入学後初めて知った「学友会」という存在


「おーい。そこの大きな君!」
入学後間もない新入生歓迎イベントで、スポーツ部、文化部から様々に勧誘を向けるなか、学友会の勧誘チラシを受け取った。
「学友会って聞き慣れない言葉だし、なんだ?って感じ。そのわりに、チラシを配っている先輩(川上君)が、イキイキとカッコイイ」。
チラシを見ると、新入生歓迎会やクリスマスパーティーなどを企画したり、オープンキャンパスの手伝い、大学祭の企画・運営などが主な活動だという。
それは学生生活をより良いものにするための、学生による学生のための自治組織だった。
「なぜかわからないのですが、不思議と興味がわきましたね」。

他の人のために頑張るのもいいかも


中学では、人気コミック「テニスの王子様」に影響を受けテニス部に入部。高校に進学するころには、身長が180cm以上。高身長を活かそうとバレーボールに入部するものの、部員不足で2年生のときに廃部に。消化不良に終わった。
「中学、高校と打ち込んだスポーツは自分を高めるため。他人のため、誰かのために頑張るのもいいかな?」高校を卒業するころに直感的にそう感じたという。

石川県出身。入学間もない垣内君には、大学に友達はいない。寂しさもあって、次の日にはチラシに書かれた川上君の携帯電話に電話していた。「俺、学友会やります!」。
同学年の新メンバーはたった3人。人気が無いのは残念だけど、先輩はいい人ばかり。なんとか頑張ってやってみよう、と思えた。

仕事は地味。でも、やりがいはある


初仕事は、毎年5月の中旬に行われる五月祭の告知のため、JR福井駅周辺で雨の中のビラ配りだった。「自分は雨に打たれてびしょびしょなんだけど、チラシは絶対に濡らさないぞ」と思いながら、無言で黙々。
初日の活動を終えた感想は「ほんと地味な仕事」だった。
それでも、他のメンバーが自主的に取り組む姿に刺激された。与えられた役割だけではなく、自分たちが出来る事を探しサポートし合う。先輩後輩の垣根を越えてみんなが仲良く、とてもアットホームな雰囲気。だからこそ、メンバーの結束は強い。

五月祭などの行事に加え、受験希望者にキャンパスを体験してもらう、オープンキャンパスの手伝い、東日本大震災の復興を支援するための募金活動など、学友会の活動は多岐にわたる。

大学祭実行委員長として奮闘

今年5月、先輩たちに強く勧められて大学祭実行委員長を務めることになった。年間行事のなかでも、毎年10月に行う大学祭は一大イベントだ。企画・準備・運営はすべて自分たち大学祭実行委員の仕事。それまでの学友会活動は、先輩たちがいてこそ。
「自分に与えられた役割をしっかりとやればよかったが、これからはおんぶに抱っこは通用しない」。身の引き締まる思いだった。


委員長就任後すぐに準備に取りかかった。50回記念にふさわしい企画を、とメンバー同士、何度も何度も話し合いを重ねながら、開催までの半年間、もちろん夏休み期間も準備に明け暮れた。
「本当に忙しかったですね。夏休みは、アルバイトも実家への帰省もできないほど。」
与えられた予算の不足を補うため、今年から大学祭パンフレットには広告を取り、デザインや紙面構成等も自分たちの手で行うなど、一生懸命創り上げた大学祭。
2大目玉企画として実施した玉木宏さんのトークショーと清水翔太さんのライブでは、開演6〜7時間前から行列が出来るほど。学生、教職員をはじめ、多くの地域の方々にご来場いただき、大盛況で幕を閉じることができた。

学友会を通し、人と社会との関係を築いていく


大学祭は終わったが、すぐにLife Style Bookの編集作業にとりかかる。これは、福井工業大学での学生生活が楽しく過ごせる情報が満載の新入生向けの情報誌。まだまだ学友会の活動は続いていく。
「残りの大学生活、単に技術を磨き知識をつけることだけではなく、学友会の活動を通じ、周りの人に必要とされ認められ愛される人間力を養いながら、人との関係・社会との関係を築いていきたいと思います」。
これまでとは違う、自信とやる気を身に付けた垣内さんの姿がそこにあった。


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