FILE No.136

サッカー部で活躍しながら日々学業に励み、学長賞を受賞

工学部 建築土木工学科4年

中川 慧斗

2026年3月14日に執り行われた令和7年度学位授与式において、学業成績が顕著であった学生に贈られる学長賞を受賞した中川慧斗さん。サッカー部の練習と勉強を両立させた学生生活、就職活動や国内外でのインターンシップ体験、建造物の耐震改修をテーマにした卒業研究などについて振り返っていただき、さらに今後の目標や抱負などを伺った。

サッカーと勉強に真剣に取り組み、自然に両立

保育園に通う頃に始めたサッカーを小・中・高校と続けてきた中川さん。「チーム全員で協力しながら戦うこと、得点したときや試合に勝ったときの感激がサッカーの魅力です」と語る。中学時代からはプラモデルづくりが趣味となり、城や車などを作る中で建築に興味を持つように。大学進学に当たり、地元でサッカーを続けながら建築を学びたいと福井工業大学の建築土木工学科を選択した。


1~4年生までサッカー部に所属し、ミッドフィールダーとして守備と攻撃の両方で活躍。中川さんが3年生だった2024年に、チームは北信越大学サッカーリーグ(以下リーグ)2部で準優勝し、リーグ1部への昇格が決定。翌年4月に行われた同リーグ第2節の試合が中川さんの記憶に大きく残るゲームとなった。「相手は強豪の新潟経営大学。試合が始まってすぐにうちが得点し、その後ずっと守り切って1対0で勝ちました。1部に上がっての初勝利が、非常に強いチームとの接戦の末だったので、ものすごくうれしかったし、自分にとってもチームにとっても自信につながる試合でした」。


平日のサッカーの練習は、授業終了後の午後6時40分からスタートし、2時間弱の全体練習の後に、筋トレなどの自主練習にも励んでいた中川さん。勉強時間を確保するのが難しい中で、空き時間や休憩時間を利用して予習や復習を行い、テスト前などは、帰宅してから夜中まで続けることも。それでも「朝になると、授業は休めないと思い目が覚めてしまうんです」と話し、休んだことはほとんどないという。このような中で2級建築施工管理技士の資格も取得。部活と学業それぞれに真摯に向き合うことで、無意識のうちに両立されていたようだ。

インターンシップで、就きたい仕事や将来の目標が見えてきた


中川さんが就職先として考えていたのは総合建設業だった。しかし、キャリアセンターの就職支援を受ける中で、建築部門がある関西電力株式会社を紹介され、3年生の夏にオープンカンパニーに参加。建築部門では、原子力発電所をはじめ、自社関連施設の設計をすべて手掛けているなどの説明があり、CADを使っての設計なども体験した。その中で、福井県嶺南地域にある同社の原子力発電所の耐震改修が必要だと知り、ここで働きたいという気持ちが強くなったという。「原発の耐震改修の業務に携わり、地元の人が安心して暮らせる環境をつくるという目標ができました」と、自身の大きな変化を振り返る。

また、海外インターンシップではベトナムに2週間滞在。受け入れ先は建設資材などのプラスチック製品を製造するフクビ化学工業株式会社の子会社で、同社の取引先で働く日本人駐在員から海外勤務で大事なことなど聞く時間がメインだった。「建築現場の施工管理をされている方のお話が印象に残っています。海外で日本の技術を広めていく仕事に大きなやりがいを感じ、将来、海外勤務にも挑戦してみたいと思うようになりました」。

就職後を見据え、「耐震改修」の卒業研究に取り組む


関西電力の内々定を得た中川さんは、原子力発電所などの耐震改修や保守が自身の業務のメインになることを踏まえ、「建造物の耐震」を卒業研究のテーマに決定。具体的な対象は、耐震診断により改修が必要と判明し、そのための調査・研究、対策の検討が行われていた和歌山市の「和歌山城」だった。現状を把握し、改修方法を考え、それによってどのような効果が得られるかを考察していくが、実物を見ないとわからないことも多いため、同城と同市役所を訪問。「お城を実際に見て、設置されている地震計で観測されたデータを市役所からいただき、これらを基にどのような耐震改修を行うかを考え、3次元モデルによる可視化も行いました」。

このように積極的に取り組み、和歌山市への耐震改修案報告会も行った中川さんの研究は、卒業研究発表会で高く評価され、学科主任賞を受賞。学長賞とダブル受賞となり、「一生懸命頑張ってきて本当によかった」と笑顔がこぼれた。


大学での学びや経験を糧に仕事の幅を広げ、社会の役に立ちたい


4年間の学生生活を振り返り、福井工業大学の良好な環境に改めて感謝の気持ちが湧いている中川さん。「大規模な大学に比べ学生の数がそれほど多くないからでもありますが、勉強では先生からマンツーマンの丁寧な指導を受けられました。キャリアセンターの方はとても相談しやすく、僕に合いそうな企業を紹介してくださるなど、手厚い就職支援をしていただき本当にありがたかったです」。サッカー部においても、監督が選手一人ひとりに目を配れることで、「自分のことも大事に思ってくださっている」と感じることができたそうだ。

4月に社会人生活をスタートする中川さんの当面の目標は、職場で求められる新しい知識や技術を習得しながら、仕事の幅を広げられるように1級建築士と1級建築施工管理技士の資格を取得することだ。さらに将来に向けては、海外勤務も視野に入れている。「海外インターンシップの経験から、開発途上国のインフラ整備のために、火力発電所やダムを造る事業に携われたらと思っています」。新しいことにチャレンジする際には、サッカーで培ったコミュニケーション力や粘り強さが活かされるに違いない。「行き詰まっても投げ出さず、周囲の人々と協力しながら、どうしたら前に進んでいけるかを考える。諦めずに頑張ります」という言葉が力強く響いた。


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