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創部以来の快挙!「第46回全国女子大学ゴルフ対抗戦」準優勝
スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科 3年
ゴルフ部
服部 仁美・中村 好花
2023年6月、ゴルフ部の女子チームが「第46回全国女子大学ゴルフ対抗戦」に初出場し、準優勝に輝いた。女子団体戦での全国大会上位入賞は創部以来の快挙。本大会とその選抜を兼ねた「中部女子学生ゴルフ春季大学対抗戦」での戦いぶり、子ども時代から続けているゴルフへの思いなどについて服部 仁美さん、中村 好花さんにうかがった。
“強いゴルフ選手”を目指して福井高校と福井工業大学に進学
子どもの頃からゴルフを続けている服部さんと中村さん。祖父がゴルフ場を営み、両親もプレーするという環境で育った服部さんは、「始めたのは保育園の頃。ゴルフは年齢や性別を問わずできるスポーツで、家族全員で楽しめるのが魅力です」と話す。中村さんは、友達に連れられ練習場へ行ったのをきっかけに8歳でスタート。「ゴルフは個人競技なので戦うのは1人ですが、他のスポーツに比べて大人の方と接する機会が多く、礼儀などが身に付くと思います」とゴルフ特有の環境を指摘する。
2人とも福井県外出身だが、福井工業大学附属福井高等学校に入学し、ゴルフ部員として活躍。遠方の同校を選んだのは、パッティンググリーン練習場を備えたゴルフ部専用の角折練習場があるなど施設が充実しているからだ。そして、もっと強くなるために卒業後も同じ環境で練習したいと福井工業大学へ進学した。ゴルフ部の練習は平日の朝6時から8時まで。福井市内のゴルフ練習場または大学の角折練習場でスイング練習を行い、火・金曜日はトレーニングセンターで筋力や体幹を鍛えるトレーニングも実施する。土・日曜と祝日はフリーだが、提携のゴルフ場でのアルバイト終了後、ゴルフ場やあわらキャンパスの専用ゴルフコースでラウンド練習を行っている。
「中部女子学生ゴルフ春季大学対抗戦」で優勝し、全国大会へ
ゴルフ部の女子部員は現在8名だが、一昨年までは人数が少なく、通常5人が出場し上位4人の合計スコアで競う団体戦には出場できなかった。初出場を果たしたのは2022年。春と秋の「中部女子学生ゴルフ大学対抗戦」に挑み、本大会の上位チームが戦う全国大会を目指した。秋の中部大会では準優勝したが、その後の全国大会は予選敗退だった。
前年の雪辱を果たそうと迎えた2023年春。4月11・12日、愛知県のさなげカントリークラブで開催された「中部女子学生ゴルフ春季大学対抗戦」に服部さん、中村さんを含む1~3年生5人が出場した。5校が、1日目18ホール、2日間合計36ホールで競い、全国大会へ進めるのは上位2チームだ。「去年の春は4位だったので、今年は絶対優勝!と皆で言い合いました」と中村さん。服部さんは「中部大会は上位を取れるのでは、という雰囲気があったんです。だから、楽しんでプレーしようという気持ちでした」と振り返る。
1日目は全員がアンダーで回り、2位と16打差をつけ1位で終了。2日目は、監督の「大丈夫。どこまで行けるかやってこい」の言葉を受けて臨み、2位のチームを引き離していった。そして、トータル22打差で初めての団体戦優勝。全員で歓喜したのは言うまでもない。
ピンチを乗り越え「全国女子大学ゴルフ対抗戦」準優勝!
中部大会で優勝した勢いで挑んだのが、6月21・22日に北海道の苫小牧ゴルフリゾート72エミナゴルフクラブで開催された「第46回全国女子大学ゴルフ対抗戦」だ。春の団体戦初の全国大会に出場したのは服部さん、中村さんをはじめ6人。試合前、全員で注力したのが西洋芝対策である。国内のゴルフ場に用いられている芝には和芝と寒地型西洋芝があり、ほとんどのコースが和芝だが、北海道では寒さに強く冬でも枯れない寒地型西洋芝が使われている。この西洋芝の葉は細くて柔らかいためボールが沈み、打ち損ねをおこしやすい。北海道での試合経験がある監督と男子部員から「これまでと同じ打ち方ではいけない」とアドバイスを受け、土を敷いてボールを載せ、打ち方を練習したそうだ。
出場チームは10校。中部大会と同様2日間合計36ホールでプレーし、各チームの上位4人のスコアの合計で順位が決まる。「今回も楽しくやろうと皆で話し、周囲からも『初出場だから失うのは何もないからね』と言われました」と笑う服部さん。さらに「過去の経験や結果がゼロなのだから、やれるだけやってこいということですね」と中村さん。
このように気負わずに臨んだ1日目、中村さんは冷静なプレーでピンチを脱出したという。「ドライバーショットの調子が悪く、結構いろんな方向へ曲がっていたんですが、芝が長い最悪の場所に行ってしまったとき、そこからピンまで30センチくらいの位置に寄せてバーディーを取れたんです。動揺せずこのショットを打てたことで、その後の自信につながったと思います」。1日目の結果は、289打で明治大学と3位タイ。2位の東北福祉大学とは5打差、1位の日本体育大学とは7打差だった。大差とは言えないが、1・2位のチームは上位常連校であり、追い着くのは難しいと考えられた。
2日目、激しく追い上げたのは、東北福祉大学と初日9位だった日本大学、そして福井工業大学だった。風が強かったこの日、多くの選手がスコアを縮められない中で順調だったのが服部さんだ。「向かい風だったので、結構長い距離で残ってしまったんですけど、1番、2番ホールで連続バーディーを取り、良い感じで回れました」。最終成績は、福井工業大学が581打で2位、1位が564打の東北福祉大学、3位が588打の日本大学だった。福井工業大学チームは初出場で準優勝を勝ち取ったのである。喜び合った選手たちは、「あと少しで1位になれたかも」という思いをバネに、秋の全国大会と、中部大会に向け練習とトレーニングに励んでいる。
ゴルフで培ったコミュニケーション力を将来に活かす
服部さん、中村さんはスポーツ健康科学科で、筋肉の動きやスポーツでの体の使い方、栄養学などを学んでいる。これらの知識はゴルフのための体づくりや、試合に向けての体調管理などにも役立っており、1日の摂取カロリーに注意したり、朝食に適した物を食べたりするなど日々の生活にも取り入れているという。
プロゴルファーを目指し、来年プロテストに挑戦予定の中村さんは、「どんなときも一喜一憂せず淡々とプレーし、笑顔でいれる選手になりたい」と話す。服部さんは卒業後の進路を模索中だが、ゴルフを続けながら培ったコミュニケーション力や時間厳守の習慣は社会人になってからも活かされるに違いない。「私たち福井工大ゴルフ部は男女隔てなく会話が多く、他校に比べコミュニケーションがうまく取れている」と口をそろえる2人。ここでの経験はこの先も生きる力になりそうだ。
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