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WEBシラバス
SYLLABUS
- 講義名
- 伝熱・流体工学(2N)
- ナンバリング
- EN22-NC1-L-22
- 開講学部学科
- 工学部原子力技術応用工学科
- 開講学年
- 2年
- 開講期
- 後期
- 担当者
- 松浦 敬三
- 単位数
- 2
- 授業の目的
- 原子力発電は,核分裂により発生する熱を用いて蒸気を発生させ,タービンを回転させることで発電する熱機関である.この熱機関を理解するには,熱力学と伝熱工学を理解することが必須である.熱力学は熱機関を理解する上で必要となる,熱力学法則,エントロピーなどの基本的知識を理解すること,伝熱工学は,核燃料から冷却材への伝導伝熱,対流伝熱現象の基本を理解することを目的とする.
(時間数:90分×1時限×16回)
本授業は,対面授業とする.ただし,何らかの理由で対面での授業実施が困難な状況となった際,オンライン授業となる場合がある. - 科目に関するDP
(ディプロマポリシー) -
- 特に重要
- 1
- 重要
- 2
- 望ましい
- 5
- 学修到達目標
-
1 熱力学を学ぶ上で基本となる,基本的知識である絶対温度,熱容量,比熱,熱の仕事等量について理解し,簡単な計算ができる.また,熱機関を理解する上で重要となる理想気体に関する知識として内部エネルギー及び状態方程式について理解し,簡単な計算ができる.
2 熱に関するエネルギー保存則としての熱力学第一法則を理解するとともに第一種永久機関が不可能であることを理解する.また熱機関を考える上で重要となる定積変化,定圧変化,等温変化及び断熱変化を理解する.
3 熱力学において最も重要である熱力学第二法則を理解する.また,その基礎としてカルノーサイクルを理解する.また,熱力学における不可逆性を示す指標としてのエントロピーを理解する.
4 伝熱の形態として,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱があり,それぞれの伝熱現象の基本について理解すること.
5 伝導伝熱の基本として,フーリエの式を理解するとともに,一次元での熱伝導方程式を計算できる.熱伝達の基本としてニュートンの冷却法則を理解するとともに,熱通過率,熱抵抗を理解して複合材料における熱移動の簡単な計算をできる.
6 対流伝熱の基礎として,境界層および無次元数ヌッセルト数を理解する.また,具体例として平板に沿う対流熱伝達,管内流れの熱伝達について簡単な計算ができる.
- 関連科目
- 原子炉プラント工学,核燃料工学
- 実務経験のある教員による授業
- 担当教員は,核燃料メーカーにおいて原子炉の熱設計を担当しており,その経験も踏まえて授業を行う.
- 評価方法
- レポート:40%,通常試験(中間・期末):60%.
期日までに提出されたレポートについては,再提出後の得点を最終得点とする.期日後に提出されたレポートについては,再提出後の得点の50%を最終得点とする. - 受講心得
- 本授業では,熱力学と伝熱工学を学習しますが,熱力学はサイエンスとしての性質があり理論的な学問ですが,伝熱工学はエンジニアリングの性質がありある意味経験的な部分がある工学としての学問で前半と後半はかなり雰囲気が変わるかもしれません.しかも,どちらも大学で初めて習う概念が多く出てくるので,予習復習をしっかりすることが大切です.わからない点があれば,まず自分で何がわからないか自問自答して,担当教員に質問してください.何がわからないかを理解することが,理解への第一歩です.
- 関連リンク
授業計画
1 | テーマ | イントロダクション | ||
---|---|---|---|---|
内容 方法等 |
授業の構成,身の回りの熱に関わる現象,伝熱を利用した機器,熱力学や伝熱工学に関する歴史について理解する. | |||
事前 学修 |
身の回りの熱に関わる現象としてどのようなものがあるか,伝熱を利用した機器にどのようなものがあるかを調べておく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. レポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
2 | テーマ | 熱と温度 | ||
内容 方法等 |
熱力学を理解する上で必要となる用語,絶対温度,熱容量,比熱,熱の仕事等量等について理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
3 | テーマ | 状態方程式と理想気体 | ||
内容 方法等 |
熱機関を理解する上で必要となる,理想気体の状態方程式,内部エネルギー,ファン・デル・ワールスの状態方程式を理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
4 | テーマ | 熱力学第一法則 | ||
内容 方法等 |
熱におけるエネルギー保存則である熱力学第一法則を理解するとともに,第一種永久機関が不可能であること,熱機関のサイクルを理解する上で重要である,定積変化と定圧変化,等温変化と断熱変化について理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
5 | テーマ | 熱力学第二法則(1) | ||
内容 方法等 |
自然界において熱現象に方向性があること,利用できない熱があることを熱力学第二法則を理解する上で理解する.また,このため第二種永久機関の実現も不可能であることを理解する.さらない,熱力学第二法則の説明で用いられる熱機関であるカルノーサイクルについても理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
6 | テーマ | 熱力学第二法則(2) | ||
内容 方法等 |
複数の表現の仕方がある熱力学第二法則についてカルノーサイクルを用いて理解するまた物質がある温度で気液平衡の状態にあるときの蒸気圧と、蒸発に伴う体積の変化、及び蒸発熱を関係付ける式であるクラジウス・クラペイロンの式及び熱現象の不可逆性について理解する | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
7 | テーマ | エントロピー | ||
内容 方法等 |
熱力学現象の不可逆性を示す状態量であるエントロピーを理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
8 | テーマ | 前半のまとめ | ||
内容 方法等 |
第1回~第7回までの熱力学に関する授業の理解度を確認する. | |||
事前 学修 |
第1回~第7回までの熱力学に関する授業全体の復習を行う | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
前半のまとめにおいて理解が不十分と認識した部分について復習する. | 時間(分) | 90 | |
9 | テーマ | 伝熱の形態(1) | ||
内容 方法等 |
熱移動の基本形態として,伝導伝熱,対流伝熱,輻射伝熱があることを紹介し,伝導伝熱についてその概要を理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
10 | テーマ | 伝熱の形態(2) | ||
内容 方法等 |
熱移動の基本形態の内,対流伝熱と輻射伝熱についてその概要を理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
11 | テーマ | 定常熱伝導(1) | ||
内容 方法等 |
定常熱伝導の基本式であるフーリエの式について理解し,簡単な1次元定常熱伝導方程式を解くことができる. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
12 | テーマ | 定常熱伝導(2) | ||
内容 方法等 |
熱伝達の基本式であるニュートンの冷却法則を理解し,熱通過率及び熱抵抗についても理解し,簡単な複合材の伝熱計算ができる. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
13 | テーマ | 非定常熱伝導 | ||
内容 方法等 |
非定常熱伝導方程式を理解し,簡単な非定常一次元熱伝導方程式を解くことができる.非定常熱伝導方程式において重要な物性値である熱拡散率について物理的意味を理解する.また,熱容量の小さい物体の非定常熱伝導問題を解くことができる. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
14 | テーマ | 強制対流熱伝達(1) | ||
内容 方法等 |
対流伝熱の基礎方程式,対流伝熱を理解する上で重要となる無次元数であるプラントル数及びヌッセルト数,速度境界層及び温度境界層について理解する. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
15 | テーマ | 強制対流熱伝達(2) | ||
内容 方法等 |
強制対流熱伝達の具体例として,平板に沿う熱伝達,管内流れの熱伝達を理解し,簡単な伝熱計算を行うことができる. | |||
事前 学修 |
教科書の該当箇所を読んでおく. | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
授業における不明点のを明確にし必要に応じ担当教員に質問する. 前回レポートの間違った問題をやり直すとともに,今回のレポート問題を期日までに提出する. |
時間(分) | 90 | |
16 | テーマ | 後半のまとめ | ||
内容 方法等 |
第9回~第15回までの熱力学に関する授業の理解度を確認する. | |||
事前 学修 |
第9回~第15回までの伝熱工学に関する授業全体の復習を行う | 時間(分) | 90 | |
事後 学修 |
後半のまとめにおいて理解が不十分と認識した部分について復習する. | 時間(分) | 90 |
教材・参考書
No. | 分類 | 書籍名 | 著者名 | 出版社 | 価格 | ISBN/ISSN |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 教材 | なし | ー | ー | ||
2 | 参考書 | JSMEテキストシリーズ 熱力学 | 日本機械学会 | 丸善出版 | 2,075円 | 978-4-88898-104-0 |
3 | 参考書 | JSMEテキストシリーズ 伝熱工学 | 日本機械学会 | 丸善出版 | 2,075円 | 978-4-88898-120-0 |