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2025.10.03

【建築土木】能登和倉温泉の震災復興を応援する「国登録文化財・和倉御便殿」プロジェクト

和倉温泉街は被害が甚大で、屋根のブルーシートと給水所の看板が見える(2024.1.20)

2024年1月1日の能登半島地震直後から建築土木工学科の市川秀和教授は、故郷の七尾市と和倉温泉を中心に被災した歴史的建造物の現地調査を継続的に実施し、所有者や住民の方々に寄り添ってさまざまな相談に応じてきた。


被災直後の和倉御便殿を現地調査し、青林寺・住職の相談に応える市川教授(2024.1.20)

倒壊した我が家の前で涙するひと、倒壊は免れたものの今後の修復に悩むひと、修復と解体の選択に戸惑うひと、故郷を離れて移住する悲痛な決断に至ったひと、多様な立場に佇む被災した人びとの生声を真摯に傾聴しながら、出来る限りの協力支援に努めてきた。

こうした市川教授の活動の一つに、和倉温泉の復興プロジェクトの取り組みがある。この温泉街の中心部には、国登録文化財の「和倉御便殿」が青林寺と信行寺の2カ寺に分かれて移築保存されており、この度の被災で大きく損傷した。


和倉御便殿の修復・復活に向けた建築遺産の重要性を解説する市川教授(2025.9.27)
(北國新聞2025.9.28/北陸中日新聞2025.9.29)

この御便殿は、明治42(1909)年9月27日の東宮殿下行啓(後の大正天皇)の休憩所として宮内庁により建設された所謂「皇室建築」の一つであり、全国的にみて稀少な建築遺産として知られる。
市川教授は、和倉御便殿の修復と観光資源としての新たな価値づけを指導し、この温泉街復興のシンボルとなるように地道な努力を続けている。



和倉御便殿の修復・復活に向けた建築遺産の重要性を解説する市川教授(2025.9.27)
(北國新聞2025.9.28/北陸中日新聞2025.9.29)

先の9月27日(御便殿の記念日)に、七尾市と石川県の観光関係者やボランティアガイド、地元の観光協会・住民など30名程が参加した見学会が実施され、案内役の市川教授は、この建築遺産の重要性と今後のまちづくり活用策を丁寧に解説した。

今後も市川教授は、能登和倉温泉の復興・復活のために継続的な応援を続けていく。


お問い合わせ:建築土木工学科