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2023.03.17

第3回SMRコロキュアムを実施

話題提供者としてGE-日立(カナダ)許認可エクスパートのCHANTAL YACOUB氏をお招きし、2023年2月11日(土)にオンラインで第3回SMRコロキュアムを開催しました。時差の関係で、開始時間が日本時間21時、カナダ時間7時という変則的のものであったにもかかわらず、国内外の14人の有識者にご参加いただきました。これはSMRに関しての関心の高さを示すものだと考えています。

本学西嶋工学部長の開催の挨拶の後、本学原子力技術応用工学科の砂川教授がモデレータを務め、コロキュアムを行いました。最初にCHANTAL YACOUB氏の講演「Overview of SMR Licensing in Canada and Current Status for GE Hitachi’s BWRX-300」がありました。BWRX-300は、日本国内で運転している大型の原子炉と異なり、小型の原子炉でSMR(Small Modular Reactor)と呼ばれています。カナダのオンタリオパワージェネレーション社が同社のダーリントン発電所にGE-日立のBWRX-300の導入を決め、同じくカナダの サスクパワー社は、サスカチュワン州での導入の可能性があるSMR 技術として、 GE-日立の BWRX-300を選択しました。これらに加え、ポーランド、英国及びエストニアがGE 日立 のBWRX-300 設計に関心を示しています。また、岸田首相が、本年1月にカナダのトルドー首相とオタワで会談した際、BWRX-300の日本への導入に意欲を示したとのことです。

CHANTAL YACOUB氏の話題提供の後、参加者間で、「カナダ固有の原子炉CANDUは、PHWRである。オンタリオは最初のSMRとして、BWRであるBWRX-300を検討したが、なぜ経験のあるPHWRではなくBWRを選定したのか」、「カナダでは、 BWRX-300 の規制の枠組みはどうなっているのか」「CANDUの燃料は天然ウランだが、BWRX-300は濃縮ウランを使用する。燃料供給はどうするのか」「米国ノースカロライナ州ウィルミントンにあるGlobal Nuclear Fuel-AmericasでBWRX-300の燃料製造は可能か」「許認可作業を含め、カナダで最初の BWRX-300 が運開されるまでにどれくらいの期間がかかると想定されているか?」「現在のところ、カナダでBWRX-300を何基建設する計画か」「既存炉の改修とSMR新設の兼ね合いをどう考えるか」「福島原子力発電所事故の後、カナダの規制はどう変化したか」「SMRと CANDUの規制の違いはどういうところにあるか」「出席者によって指摘された日本とカナダのライセンス制度の相違点」などについて活発な議論が行われました。


お問い合わせ:原子力技術応用工学科