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2020.11.01

汚染地域に生息する動物に対する線量換算係数の導出

原子力事故後の環境汚染に対する効果的な放射線防護措置として、“避難”があげられます。しかし、動植物に対してはこのような措置を取ることはできず、実際に、1986年のチェルノブイリ原発事故後、周辺の汚染地域ではマツ1)やツバメ2)などいくつかの生物種において放射線の影響が観測されました。これらの動植物を放射線のリスクから守り、生態系を保護していくには、ヒトとは異なる防護のアプローチが必要です。本研究室では、研究対象に鳥類の一種としてツバメを選択し、環境の汚染レベルとツバメの被ばく線量の関係性を求める研究を行っています。現在は“外部被ばく”に着目し、図に示すような放射性物質に汚染された巣材やツバメのヒナを模擬した体系を作成し、巣材の汚染によりツバメがどの程度被ばくするかを明らかにしました。今後、“内部被ばく”も含めた、トータルの被ばく線量を求めるには、さらにツバメの食べ物やツバメ自身に含まれる放射性物質の調査を行うことが必要となります。
                                1)IAEA-tecdoc1240(2001)
                                2) Møller et al. (2005)



お問い合わせ:原子力技術応用工学科