教員紹介
Faculty Members' Profiles
工学部 機械工学科
Department of Mechanical Engineering
掛下 知行教授/理学博士
構造・機能先進材料の基礎物性と応用
材料の機能発現(強度、じん性、電気・磁気特性等)・組織制御の根幹となる基礎研究を推し進めるため、温度・応力のみならず強磁場、高圧力の外場を新たに加えることで得られる情報に対して多次元的現象解釈や電子論的解釈を行っています。それらの結果をもとに、材料科学の未解決な問題の解明と、新規材料の創製を行っています。
- 研究テーマ
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- 極限状態下(強磁場、高圧力)のマルテンサイト変態や拡散変態
- マルテンサイト変態のカイネティクスならびに巨大ひずみと臨界点 など
トライボロジーで研磨加工を高性能化
物体の表面を磨き、平らにしていく研磨技術は、石器時代から使われている加工方法です。摩擦や摩耗をコントロールするトライボロジーの技術を応用し、より精度良く、より効率的に研磨を行う方法の確立をめざします。
- 研究テーマ
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- 研磨機構の解明
- 研磨率の荷重特性制御
- 化学的機械研磨 など
(Chemical Mechanical Polishing)
人々の負担を軽減するロボットを創る
農業や災害の現場では多くのことを人の手に頼っており、肉体的負担が非常に大きいです。草刈りするロボットや災害現場で人を搬送するロボットなどのアイデアを考え、一から設計・開発し、時にはAIなども使いながら、人々の負担を軽減するロボットの研究開発を行っています。
- 研究テーマ
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- 草刈ロボットの開発
- レスキューロボットの開発
- 自動追従型全方向移動ロボットの開発
- 月面掘削ロボットの開発など
機械に生じる複雑な振動の解明
機械システムを構成する各要素には、流体力・電磁気力などが作用し、複雑な振動が生じます。
配管系の振動問題やパンタグラフの離線現象はこのような複雑な振動の一例です。安全で高効率な機械システムの構築には、複雑な振動の本質的な解明が必要で、そのための研究を行っています。
- 研究テーマ
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- 内部流に起因した弾性送水管の非線形横振動
- 剛体架線パンタグラフ系の衝突振動 など
バイオディーゼル燃料の利用技術
枯渇の懸念がある石油燃料。これに代わる燃料として注目されているディーゼルエンジン用の生物資源由来燃料(BDF)は、大気中のCO2濃度を増やさないうえ、従来の軽油よりも低燃費で有害物質が少なくなる可能性があります。BDFを最適に利用するための研究をしています。
- 研究テーマ
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- BDFを用いたエンジンの排ガス低減
- 学生フォーミュラ大会 出場車両の設計
- 競技車両の動的性能評価 など
廃熱を活用する熱音響エンジンの開発
熱をエネルギー源として、ひとりでに音を発生させる熱音響現象と呼ばれる不思議な現象があります。熱音響現象は、熱エネルギーを可動部なしに音の力学的エネルギーに変換することを可能にします。
本研究室では、この現象を工学的に応用して廃熱から動力を取り出す新しい熱機関の研究をしています。
- 研究テーマ
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- 高次振動モードの抑制による大振幅熱音響自励振動の発生実験
- 熱音響エンジンにおける進行波型自励振動の発生メカニズムの解明
自ら考える、次世代の自動車を創る
故障が発生した場合、動物のように状況を判断して自らバックアップを行うことができる自動車を創ることを目標として、車両の制御やエンジンの制御だけでなく、新しいデバイスの開発まで、さまざまな観点からアプローチしています。
- 研究テーマ
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- ディープラーニングを用いたエンジン制御
- 機能性流体 など
先端材料を創製するプロセスデザイン
熱電材料や磁石材料などの各種機能・構造材料の高性能化および新規先端材料の開発を行っています。
また、これらを実現するためのナノコンポジット化や異方性材料の配向性制御、新規直接通電焼結法の開発など、これまでにない新しいプロセスデザインに関する教育研究を行っています。
- 研究テーマ
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- 超高効率な材料創製プロセス開発
- エネルギー回収をめざした新規発電材料開発 など
ナノスケール物質を観て操り計る
高分解能透過電子顕微鏡の中でナノ物質一個一個を直接観て操り、または加工し、そのときの構造変化をリアルタイムに追いながら、その場で同時に力学、電気伝導、電界放出、光などに関する物理量を測定し、ナノスケール領域で発現する材料独特の物性や現象を解き明かす教育研究を行っています。
- 研究テーマ
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- ナノカーボンの構造と物性の解明
- ナノ材料の新機能探索や現象の解明
- その場透過電子顕微鏡法の技術開発 など
安心・安全な機械システムの構築
鉄道車両に電力を供給する集電系には架線とパンタグラフが用いられています。この架線とパンタグラフは離線することがあり、離線すると電力の供給が困難になります。
この離線現象の解明と離線を抑制するという目的から研究を行っています。
- 研究テーマ
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- 剛体架線とパンタグラフの離線現象 など