FUTまちづくりデザインセンター Topic 039 SDGs Target No.6 7
シンガポールは1965年にマレーシアから分離独立した比較的新しい国であるが、国連のサポートによる都市のコンセプトプランの策定、初代首相リー・クアンユーによる様々な取り組みなどによって急速に発展し、現在では多くの国際ランキングで上位に格付けされる国である。また、経済的な発展と同時に環境と共存する持続可能な開発を建国直後から意識しており、現在の街の景観も壁面・屋上緑化、公園整備などでグリーンインフラを感じさせるものが多い。特に、水資源の確保は隣国のマレーシアに依存する状況を脱するため多くの労力を割いている。この水資源確保の問題を解決するため、河川の環境改善のような地道な活動から湾の淡水化のような大規模な取り組みなど、多様な策が実行された。今回の調査で特に驚いた点として、このような持続可能な開発に関する展示施設が非常に多く、すべての施設の展示クオリティが高くデザイン的にも統一されていること、展示の維持管理が適切に行われていることなど、意識啓発にも多くの予算を割き、その重要性が十分に理解されていることが挙げられる。今後は共同研究を長く続けている環境食品応用化学科の笠井教授との雨水利活用に関する意識啓発に関する取り組みへシンガポールの事例を参考にしつつ進めていきたい。
文責 近藤 晶