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福井工業大学
2024.02.26

ダイバーシティ防災 逃げ遅れゼロを可能とする防災へ (竹田研究室レポ) Topic 031

FUTまちづくりデザインセンターTopics 031
SDGs Target No.3 11


避難生活で重要課題であるトイレ問題,避難所体験で課題を明らかにする


 災害大国日本は日本人であれば誰もが知る事実です.ここ100年間を振り返ると,関東大震災や阪神淡路大震災,そして東日本大震災と国難級の巨大災害が発生,また,震度7が2回発生した熊本地震,そして令和6年能登半島地震と規模の大きな突発性災害が発生しています.更に進行性災害では,集中豪雨や内水氾濫などの災害が毎年の様に発生しています.この様な状況の中,今後発生する可能性が高い巨大災害,例えば首都直下地震や南海トラフ巨大地震など未来の国難級災害への備えが急務です.つまり,これまで以上に防災・減災への関心が高まっています.

 ここで1つ述べておくべき事実があります.それは,避難が容易でない人々・避難が難しい人々が増加していることです.例えば,介助が必要な高齢者,高度な治療を受けている在宅患者,身体や精神などの障害を有する者,幼児と共に生活する若年者,ペットと共に生活する者等は要配慮者であり,外国人や一時的に訪問する観光客などは,災害時に弱者となります.従って,多様な人々を考えた「ダイバーシティ防災」への対応が求められています.

 研究室では,ダイバーシティ防災を主たるテーマに,地域防災計画や自治区での防災活動の支援,また避難行動の分析や避難所の最適化,更には障害者の防災対策などに取り組んでいます.特に,近年は自治体や地域住民と協働し,実避難行動や避難所の開設訓練から,真の課題を明らかにすることを目指しています.特徴的な取り組みとしては,坂井市三国町を対象に,要配慮者など共に避難を行いながらダイバーシティ防災への理解や避難に対する備えを改善,観光客など地理に不案内な来訪者による避難行動の課題,更には真冬の厳しい環境下における避難所設営の体験を通じた課題解決などに積極的に取り組みました.なお,これらの取り組みは,国土交通省の防災コンテストにおいても高い評価を得ており,今後も期待されています.

(文責 竹田 周平)


真冬の避難所設営訓練.過酷な環境を体験から真の課題を明らかにする

要配慮者と健常者との避難行動.体験から自助及び共助力を養う


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  1. #サステナビリティ
  2. #自治体との連携
  3. #防災まちづくり

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