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2026.02.17
【建築土木】能登復興プロジェクト
皇室建築「和倉御便殿」の復活をめざして
2年前の2024年1月1日の能登半島地震による被災地・七尾市和倉温泉にて、震災直後から建築土木工学科の市川秀和教授が現地での応援活動を継続していることは、先の2025年10月3日の大学ホームページで紹介したことを踏まえて、それに続く進捗報告である。
和倉御便殿のボランティア・ガイド養成講座で解説する市川教授
(和倉温泉観光協会 2階会議室2026.2.14)
七尾市出身の市川教授は、25年前から故郷七尾を中心に能登各地の歴史的建造物や集落・風景を現地調査し、その研究成果は数多くの学術論文等で発表してきた。その中の一つが皇室建築「和倉御便殿」であり、2017年に国登録文化財に認定される基礎資料となった。こうした経緯から被災した和倉温泉の復興プロジェクトとして和倉御便殿の復活をめざす当観光協会から市川教授に協力依頼があり、まずは和倉御便殿が分割移築されている「青林寺」と「信行寺」で修復相談に何度も丁寧に応じてきた。
次のステップとして和倉御便殿のボランティア・ガイド養成を目的として、昨年9月27日(和倉御便殿記念日)の市川教授による現地見学会を経て、2月14日午後から和倉温泉観光協会にて座学の養成講座が企画された。講師の市川教授は受講生20名にスライドを使ってガイドのポイントを詳しく解説した。さらに3月末には受講生の試験ガイドが予定され、新年度からのツアーガイドの実現をめざす。
国登録文化財「和倉御便殿」について
明治42(1909)年9月27日、皇太子東宮殿下(後の大正天皇)能登行啓の和倉休憩所「御便殿」として宮内庁の設計で新築された所謂「皇室建築」の一つであり、木造洋風トラスによる近代和風建築である。当時の宮内庁の厳命から現地保存が決定した背景から、全国的にみて稀少で秀逸な建築遺産と言える。
現在の和倉御便殿は、本殿が青林寺へ、供奉殿が信行寺へ分かれて保存されているが、どちらも地震被害で倒壊しなかったものの、柱等の軸組部材が傾いたために開口部や壁、床、基礎などに多大な損傷が確認された。これまで両寺の住職らが大切に受け継いできたことから、丁寧に仮補強しながら春季以降の本格的な修復の準備を見守っている。
お問い合わせ:建築土木工学科