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2026.01.07
第69回宇宙科学技術連合講演会で研究発表を行いました ― 月探査を支える基盤技術への挑戦 ―
福井工業大学大学院 工学研究科 修士課程1年の学生および、あわら宇宙センター所属教員が、2025年11月25日~28日に札幌で開催された第69回宇宙科学技術連合講演会において研究発表を行いました。
宇宙科学技術連合講演会は、大学・研究機関・企業の研究者が多数参加する、国内最大級の宇宙分野の学会です。
本講演会では、大学院生によるポスター発表と、教員による口頭発表を通じて、月探査を支える基盤技術に関する研究成果を発信しました。
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発表内容
■ 衛星地上局におけるソフトウェア無線導入に向けた研究(大学院生・ポスター発表)
発表題目:「福井工業大学衛星地上局におけるSoftware Defined Radio導入に向けた衛星信号受信システムの開発」
本研究では、福井工業大学が保有する衛星地上局設備を活用し、市販のソフトウェア無線機器とオープンソースソフトウェアを用いて、人工衛星からの信号を受信・解析するシステムの構築に取り組みました。
実際に、福井県の産学連携プロジェクトで運用されている超小型衛星「FUSION-1」からの電波を受信し、信号の復調や品質評価を実施しています。
本研究で検討しているソフトウェア無線による柔軟な受信・信号処理技術は、通信条件が厳しく、ミッションごとに要求が異なる月探査においても有効な基盤技術であり、将来的には月周回機や月面探査機との通信を想定した地上局システムへの発展も見据えた、深宇宙通信を含む次世代地上局技術の基礎検討として位置づけられます。
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■ 月面における無人化杭施工法の研究(教員・口頭発表)
岩野優樹 他「月面における回転貫入法を用いた無人化杭施工法の開発-杭先端の羽根形状の違いに対する貫入性能評価-」
宮本裕司 他「月面における回転貫入法を用いた無人化杭施工法の開発-レゴリスシミュラントを用いた杭施工の模型実験-」
これらの研究は、将来の月面拠点構築を見据え、月面環境下での施工技術の確立を目指した基礎的かつ実験的な検討です。月面特有のレゴリス環境を模擬した実験や性能評価を通じて、月探査・月面活動を支える重要な基盤技術として注目を集めました。
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【多くの聴講者が訪れ、学生・教員双方の発表に注目】
大学院生によるポスター発表の時間帯には、大学関係者に加え、企業の技術者など多くの聴講者が訪れ、研究内容の妥当性や今後の発展性について活発な意見交換が行われました。議論の中では、衛星信号処理装置開発に携わる企業関係者から、「将来的な発展を見据える上で重要なテーマ」「実用化の可能性がある」といった評価の声も寄せられました。
また、教員による月面施工技術に関する口頭発表においても、月探査や将来の月面拠点構築を見据えた基盤技術として高い関心が寄せられ、多くの質問や意見が交わされました。学生・教員それぞれの立場からの発表が、月探査を支える技術を多角的に捉える機会となりました。
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【発表学生のコメント】
初めての大きな学会発表で緊張しましたが、多くの方にポスターを見ていただき、企業の方からも研究内容について具体的なご意見を頂くことができました。今回は自分だけが地上局システムをテーマとして発表していたため、少し寂しさも感じましたが、その一方で、自分が理解している技術が宇宙分野でいかに重要であるかを改めて実感しました。
多くの企業の方ともお話しできとても楽しかったです。今後の研究を進める上で、とても参考になる経験でした。
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【実機・実データを用いた実践的な教育と研究拠点としての取り組み】
あわら宇宙センターでは、学生と教員が日常的に同じ実験設備・研究環境のもとで議論し、実機・実データを用いた研究活動を進めています。
今後も本学では、学生を中心とした実践的な研究と人材育成を通じて、月探査をはじめとする宇宙分野への貢献を継続していきます。
お問い合わせ:社会連携推進課