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2025.10.02
学生制作ループフィードで福井工業大学10mアンテナ初の天体スペクトル受信に成功
福井工業大学 工学部 電気電子情報工学科の学部生が設計・作製したループフィードを、あわらキャンパスに設置された10mパラボラアンテナ(FUT10m)に搭載し、天の川銀河からの中性水素21cm輝線の受信に成功しました。これは、FUT10mアンテナで初めて天体スペクトルをとらえた画期的成果です。
受信されたスペクトルは、国際的に広く利用されているLABサーベイ(Leiden/Argentine/Bonn Survey)の観測結果と良く一致し、FUT10mアンテナが本格的な電波望遠鏡として機能することを実証しました。
さらに、観測する銀河の位置によってスペクトルのプロファイルが変化する様子が確認され、銀河系内の渦状腕成分もとらえることができました。これにより、学生作製の受信装置と本学アンテナを組み合わせることで、教育・研究の両面での活用が期待されます。
今後は、現在不具合のある駆動系の改修を進め、FUT10mアンテナを本格的な電波望遠鏡として整備し、銀河構造や星間物質、動的な宇宙に関する天文観測を展開していく予定です。



あわらキャンパスから観測できる
天の川銀河(ステラリウム)

FUT10mで得られた天の川銀河からの
中性水素21cmスペクトル
お問い合わせ:社会連携推進課