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2019.08.21

第16回日本菌学会平塚賞受賞(論文賞)/環境・食品科学科 矢部希見子教授

秋田県立大学で開催された日本菌学会第63大会(2019年5月24日~26日)において、5月25日本学環境情報学部環境・食品科学科の矢部希見子教授が、平塚賞を受賞しました。平塚賞はMycoscience誌に掲載された論文の中から将来にわたり国際的に高い評価を期待される研究論文に授与される賞です。この成果は農研機構食品研究部門との共同研究によるものであり、矢部教授は論文の責任著者です。


受賞論文

Masayo Kushiro, Hidemi Hatabayashi, Yazhi Zheng, Kimiko Yabe (2017) Application of newly-developed dichlorvos-ammonia (DV-AM) method to direct isolation of aflatoxigenic fungi from field soils. Mycoscience 58:85-94 (2017))

論文内容

アフラトキシン(AF)は、強力な発がん性と急性毒性をもつカビ毒で、穀物のAF汚染は世界的に深刻な問題となっています。AF生産菌がどのような環境にいるのかが簡便にわかれば、AFによる汚染を防ぐことができるかもしれません。著者らは既に、特定の試薬(ジクロルボス)を添加した寒天培地にカビを接種して、培養後、アンモニア処理をしてシャーレの裏側からカビを観察すると、カビの色の変化で簡単にAF生産菌が検出できることを報告していました。本論文では、この方法を実際に畑の土壌を用いて試したところ、多様な微生物を含む土壌からでもAF生産菌が簡便かつ高感度に検出できることを見出しました。さらに、得られたカビの形態の特徴や遺伝子配列の解読により、このカビが従来報告されていたAF生産カビのグループに属していることを明らかにしました。以上の結果から、DV-AM法が野外の様々なサンプルからAF生産菌を検出できる極めて実用的な方法であることが証明され、国際的にも重要な成果であることが明らかとなりました。


お問い合わせ:環境食品応用化学科