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2024.10.04
「デジタルピアサポート」に関する論文が掲載されました
ウェルネス&スポーツサイエンスセンターとまちづくりデザインセンターの共同研究の一部をまとめた論文が「北陸スポーツ・体育学研究」に掲載されました。
スマートフォンのアプリケーションを利用した歩数の増加支援に関する研究であり、1ヶ月間で女性高齢者の歩数が約1,000歩増加したことについて報告されています。
杉浦宏季, 菊池武晴, 三寺潤, 吉村朋矩, 武可, 唯内滉生, 吉原翔太(2024)スマートフォンのアプリケーションを利用したデジタルピアサポートが女性高齢者の歩数に及ぼす影響:日常的に自動車を運転する高齢者に着目して. 北陸スポーツ・体育学研
究, 6: 1-7.
【論文概要】
高齢期における健康の維持・増進を達成する上で歩数は重要な指標とされている。しかし、多くの高齢者はそれが多くない現状にある。スマートフォンの所持率が高まる日本において、それを利用した歩数の増加支援は有効かもしれない。
本研究は、スマートフォンのアプリケーションを利用した歩数の増加に関するデジタルピアサポートが高齢者の歩数に及ぼす影響を検証することを目的とした。被験者は日常的に自動車を運転する女性高齢者20名とした。被験者は習慣化アプリ「みんチャレ」を28日間利用し、写真およびメッセージの投稿、歩数の入力、ならびに他者の投稿に対する返答を毎日実施した。本アプリは新しい習慣を身に付けたいと考えている者同士でチームを作り、チャットを通して励まし合いながら習慣化にチャレンジするシステムである。スマートフォンで測定した歩数を評価変数とし、各週における歩数の平均値を代表値とした。対応のある一要因分散分析の結果、各週の歩数に有意差が認められ、歩数は第3週(5,630.8 ± 1,838.3歩)および第4週(5,731.9 ± 1,897.1歩)が第1週(4,712.6 ± 1,732.1歩)よりも有意に多かった。
以上のことから、スマートフォンのアプリケーションを利用したデジタルピアサポートにより女性高齢者の歩数は1ヶ月間で約1,000歩増加する可能性がある。
お問い合わせ:社会連携推進課