ふくいPHOENIXプロジェクト
福井工業大学
menu
福井県勝山市小原地区で「勝山小原貸切スターツアー」を行いました
福井県勝山市小原地区で「勝山小原貸切スターツアー」を行いました

REPORT 002福井県勝山市小原地区で「勝山小原貸切スターツアー」を行いました2018.10.26

2018年9月23日、福井県勝山市小原地区で「勝山小原貸切スターツアー」が行われました。

宇宙を題材に地域イメージアップを目指す「B軸」(=観光文化研究軸)の磨き上げを目指し、一般参加型イベントとして行った同ツアー。

2006(平成18)年から同地区・周辺地区の皆さんと当学建築土木工学科の学生が取り組んでいる『小原ECOプロジェクト』と、えちぜん鉄道が主催し、勝山市観光まちづくり株式会社、JR西日本福井支店、ふくいPHOENIXプロジェクトが協力しました。

チラシやウェブサイトなどを通じて募集をかけたところ、県内外から約40人が応じました。普段はえちぜん鉄道を利用していないという県内の方や、遠くは東京からおいでになった方の参加もあり、星空観望への関心の高さがうかがえました。

貸切特別列車乗車証

ツアーは福井駅14時47分発の貸切列車でスタート。ホームの発車案内板に「勝山小原 貸切 スターツアー」と書かれていたり、通常の営業運転ではほとんど投入されないという5001形車両に特製ヘッドマークが飾られていたりと、早くもわくわく感が高まります。

スターツアー時刻表
特製ヘッドマーク

往路では小原ECOプロジェクト代表・國吉一實さんによる同地区の紹介、福井在住の「星のソムリエ」橋本芳紀さんによる星空解説などがありました。國吉さんは「小原地区は県内有数の豪雪地帯。冬場は2階が玄関になる」と話し、参加者は一様に驚きの声を上げていました。

「星のソムリエ」橋本芳紀さんによる星空解説
「星のソムリエ」橋本芳紀さんによる星空解説

勝山駅に到着した一行はマイクロバスに分乗してスターツアーの舞台である小原地区へ。約20分の行程です。

現地に着いた参加者は地区への理解を深めるべく、小原ECOプロジェクトの活動で再生された地区内の古民家、かつて林業や養蚕業で栄えたという地区の足跡を偲ばせるの神社など地区内を散策。地区内を流れる水のすがすがしさにも感動していた様子でした。

小原地区
小原地区

夜の星空観望を前にしっかりと腹ごしらえ。星空をイメージしたという「宙弁(そらべん)」には、星形にカットされたニンジンや、天の川をイメージさせるそぼろごはんなどさまざまな工夫が。

宙弁(そらべん)
宙弁(そらべん)

小原ECOプロジェクトの参加メンバーによる、イワナ塩焼きのふるまいもありました。

イワナ塩焼き
小原ECOプロジェクト参加メンバー

当日夜の天気予報は曇り。往路の電車では星空観望の可否が心配されましたが、夕暮れ時になり時折青空が見えてきました。この分だと星空観望も期待できそうです。

夕暮れ時

標高約500メートルの同地区から約1100メートルの観測地点まで、再びマイクロバスに乗って上っていきます。標高差約600メートルで、ざっと見積もって気温が約3.6度下がる計算。参加者も防寒着を着込んでの出発です。

マイクロバスで出発

約30分かけ、小原ECOプロジェクトメンバーが待つ観測地点に到着。中秋の名月も間近ということで会場には月を模したという光るオブジェも。ススキや団子など「インスタ映え」しそうなセットが組んでありました。

月を模した光るオブジェ
月を模した光るオブジェ

星のソムリエ・橋本さんがレーザーポインター片手に、北極星、オリオン座、カシオペア座などなじみのある星や星座を解説していると……参加者の一人から「もうすぐ国際宇宙ステーションが見える時間!」という声が。あたりに大きな歓声が広がります。

観測

南方の稜線から現れた国際宇宙ステーション『きぼう』が、航空灯を付けながら夜間飛行する航空機のようなスピードで北方に向かってぐんぐん進んでいきます。橋本さんがレーザーポインターで航跡を追いながら「日没からあまり時間がたっておらず、太陽の光を受けながら飛んでいるので明るく見えるんですね」と解説しました。

観測

会場の一角には地元の方が手作りした「しし汁」のふるまいも。福井市内のパティシェがこの日のために考案したという、星空をイメージした「ギャラクシードーナツ」も参加者それぞれにプレゼントされました。

ギャラクシードーナツ

約1時間の観望を終えた一行は再び、貸切電車で福井へ。「一般の営業列車では通常行わない」というアナウンスに続いて車内灯が一斉に消え、銀河鉄道のような趣きで電車は終点に向かって走ります。

銀河鉄道のような趣きの車内

復路では、街灯りの「量と質」を研究する中城智之教授(電気電子工学科)が「月がなければ、小原地区の夜空の暗さは国際的に銀賞の21.4等級になります。今日は中秋の名月、太陽光の影響などを受ける時間帯でしたが、それでも普通では考えられない19等級を超える暗さで月と多くの星を両方楽しむことができました。奥越地域の夜空の素晴らしさを改めて感じました」と解説。

國吉さんは「小原ECOプロジェクト設立当初より協力いただいた団体・組織がタッグを組んだツアーを催行でき、小原地区の可能性を新たな見出すことができました。あいにく今回は雲の影響で『最高の星空』とまではいかなかったですが、次回以降のツアーでさらに感動のひとときを過ごせるよう願っています」と振り返りました。

街灯りの「量と質」を研究する中城智之教授(電気電子工学科)の解説
街灯りの「量と質」を研究する中城智之教授(電気電子工学科)の解説

敦賀市から祖母と参加したという男女児童は「織り姫さまの星がきれいでかわいかった」「望遠鏡で見たお月さまはキラキラしていた」「星がいっぱいできれいだった」と感想を寄せてくださいました。

電車内

ふくいPHOENIXプロジェクトは今後も、県内各地の地域づくり団体や交通事業者などと協力しあいながら星空ツーリズムの質を高め、県内外から多くのみなさまをおもてなしできる体制づくりに努めていきます。

Copyright © Fukui University of Technology, All Rights Resereved.