PROJECT MEMBER

機械工学科
キーワード
振動制御,機能性流体,ニューラルネット,ディープラーニング,RF-ID,MEMS,BDF,複雑系,交通流
土屋 高志

教授/博士(工学)土屋 高志Takashi Tsuchiya

学歴
青山学院大学 理工学部 機械工学科,青山学院大学 大学院 理工学研究科 機械工学専攻 修士課程,横浜国立大学 大学院 工学研究科 社会人博士課程機械工学専攻博士課程
経歴
いすゞ自動車株式会社,株式会社豊田自動織機,静岡理工科大学講師,准教授/教授、国立高等専門学校機構 一関工業高等専門学校教授,千葉大学客員教授、自動車技術会技術教育賞(2014)
相談・講演・共同研究に応じられるテーマ
振動制御に関する問題,機能性流体の応用,適応制御(ニューラルネット,ディープラーニング),RF-IDを応用した測定困難箇所の計測,交通流等の複雑系問題

主な研究と特徴

「無線技術を応用したピストン温度測定に関する研究」

エンジンを小型・高出力にするためには、エンジンの高速化が必要であり、高速化するためにピストンを軽量化し、ピストンの材質は軽く、熱伝導率の大きいアルミニウム合金が使用されている。アルミニウムの欠点としては融点が660℃と低いという問題がある。エンジンの省燃費化を進めるためには、摺動抵抗(フリクション)の少ない小型エンジンを用い高圧縮比化をおこない高い比出力を得ることが最も良い方法であるが、高圧縮比化を進めるに伴いピストンの熱負荷は上昇し、ピストン温度がアルミの融点を超えてピストンが破損するという問題が発生する。このようなトラブルを回避して、最適な状態での運転ができるように、ピストンに対する熱負荷を設定するためにも精度の良いピストン温度の測定は非常に重要である。本研究では、ピストンの温度を精度良く測定するため、近年発展のめざましいRF技術(ディジタル無線技術)を応用し、測定側に電源が不要、軽量かつ信頼度の高い温度測定システムを構築し、実際のエンジンのピストン温度の測定を実施した。

RF-ID 測温システム構成図
図1. RF-ID 測温システム構成図
RF-IDセンサタグ(被測定側)
図2. RF-IDセンサタグ(被測定側)
ピストン温度測定箇所
図3. ピストン温度測定箇所
ピストン温度測定結果
図4. ピストン温度測定結果

「ニューラルネットワークによるエンジンの診断」

エンジンは大気汚染防止の観点から、排気ガスの発生を最小に抑制する目的で各種デバイスの装着が研究されている。しかし、排気ガス低減デバイスは燃料の種類や性状によっては低減性能が悪化するといった問題やデバイスの故障が指摘されている。本研究では故障検知の一貫として、通常ディーゼルエンジンに使用される軽油、重油、灯油の3種類の燃料を使用し、燃料種類の判定をニューラルネットワークによっておこない、燃料種類判別の可能性について検討を行った結果高い正解率を得た。

燃料種類班別ニューラルネットワークのモデル
図5. 燃料種類班別ニューラルネットワークのモデル
PID+NNエンジン制御モデル
図6. PID+NNエンジン制御モデル
学習回数と正解率の関係
図7. 学習回数と正解率の関係

今後の展望

上記のようなエンジンの計測・制御をベースとした研究を実施しているが、今後はエンジンの計測制御で得た知見を基にして、輸送機器の振動制御や乗り心地の改善について研究の幅を広げていく予定である。
さらに電気自動車を使用した牽引型レンジエクステンダ等の研究も現在進めており、今後はエンジン部分を発電機として非常時等に電源として使用できる電気自動車を開発している。

将来的には制御技術を応用して自動運転やスマートグリットへの研究開発へとつなげてゆく予定である。
また、学生のエンジニアリング教育にも力を入れ、現物と知識の両方を学生に提供し、バランスの取れたエンジニアリング教育を実施していく予定である。

所属学会

  • 一般社団法人 日本機械学会 会員(1994年~現在まで)
  • 公益社団法人 自動車技術会 会員(1994年~現在まで)
  • 公益社団法人 日本工学教育協会 会員(2003年~現在まで)

主要論文・著書

  • Revolution Control for Diesel Engine by Neural Networks
    Kenichi Mitsuhashi, Takashi Tsuchiya
    SAE International Technical Paper Document Number: 2004-01-1361(2004)
  • MR流体を用いた可変減衰マウントによる振動制御
    土屋高志、森下 信、安 永供、阿部裕子
    日本機械学会論文集、C編、65巻640号(1999)pp.4671-4676

研究者データベース

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