PROJECT MEMBER

電気電子情報工学科
キーワード
ヒューマンインタフェース、組込みシステム、機械学習、画像処理、システム制御、自律走行、サービスロボット
西田 好宏

教授/博士(工学)西田 好宏Yoshihiro Nishida

学歴
大阪大学 基礎工学部 制御工学科
和歌山大学 大学院 システム工学研究科 博士課程中退
経歴
三菱電機株式会社 主席研究員
科学技術庁長官発明奨励賞(1991)、映像情報メディア学会優秀研究発表賞(2006)
相談・講演・共同研究に応じられるテーマ
画像入力を中心として、ディープラーニング等の人工知能関連技術を用いたセンサやシステムの開発や製品化に関する研究

主な研究と特徴

「空中手書き文字入力」

スマートフォン誕生から10年が経ち、スマートフォンの利用率は85%を超えていると言われている。スマートフォンの利用形態では通話より通信が圧倒的に多く、メッセージを送ったり検索するためタッチパネルを用いて文字を入力することが多い。しかし、今後のデバイスやセンサ技術の発展を考えると、現在のタッチパネルを中心とした形態から多様化が進むことを想定し、例えばタッチパネルがなくても空中で動かした指の動きで文字入力を実現する空中手書き文字入力の研究を行っている。
従来は、指の動きを検出するために画像の特徴を検出する処理やDPマッチング法などの処理を中心としたアルゴリズム開発の研究を中心に行っていたが、現在はディープラーニング等の機械学習を用いた研究を中心に行っている。
図1に、空中に筆記した文字を認識する様子を示す。

空中に筆記した文字を認識する様子
図1. 空中に筆記した文字を認識する様子

この空中手書き文字入力は、スマートフォン以外にもデジタルサイネージ等の不特定多数の人が利用する文字入力、ハンディーキャップのある人の文字入力、さらに何かをしながら入力しようとする「ながら入力」等への展開が可能と考えられる。

「抑草ロボットTAMBA」

農業人口が減少し高齢化が進んでいるため、農作業を効率的に行うことや負担を減らすことが求められている。そこで特に要求されている除草作業の負担低減に注目し、水田内を動き回ることで、発芽したての雑草を根付かないように、また光合成をさせないことにより雑草の生育を抑制する抑草ロボットTAMBAの開発を行った。
TAMBAは水田を走行する際は稲をまたいでクローラが稲と稲の間を走行することを想定している。そのためTAMBAに搭載したカメラで撮影した画像を基に内蔵する小型コンピュータRaspberry Piを用いて画像処理により稲列を検出する機能を検討した。また、Raspberry PiでWebサーバーを構築することで、自宅のPCからや現地でスマートフォンから操作やモニタリングが可能になることを確認した。
図2に、株式会社シマノ、福井高専と共同で開発した試作機を示す。

TAMBAの試作機
図2. TAMBAの試作機

システムとしては、充電ステーションを設置しGPSにより得られた自分の位置情報とバッテリー容量から、効率良く動き回りながら充電ステーションに戻るための走行ルートのプランニング等も想定していたが、水田内の走行は非常に負荷が高く電力の消費が多いためシステムの実用化に向けては課題が残っている。

今後の展望

画像を中心としたセンサ処理、ディープラーニングを中心とした機械学習、ヒューマンインタフェース、組込みシステム等の技術を基に人にやさしい機能やサービスロボットの開発を行っていきたい。
図3に、ディープラーニングを用いて、入力画像(左側)から指先を検出(右側)する例を示す。

入力画像と検出した指先画像例
図3. 入力画像と検出した指先画像例

所属学会

  • 一般社団法人 電子情報通信学会
  • 特定非営利活動法人 ヒューマンインタフェース学会
  • 一般社団法人 電気学会
  • 一般社団法人 日本リハビリテーション工学協会

主要論文・著書

  • “移動方向情報のみを利用した空中手書き文字認識”
    西田好宏、小倉一孝、三浦浩一、松田憲幸、瀧寛和、安部憲広、ヒューマンインタフェース学会誌、Vol.12、No.3、pp.289-296、2010年
  • “An Aerial Handwritten Character Recognition Using Ratio of Stroke with Moving Direction”
    Yoshihiro Nishida, Kazutaka Ogura, Hirokazu Miura, Noriyuki Matsuda, Hirokazu Taki and Norihiro Abe, ARTIFICIAL LIFE AND ROBOTICS(AROB 16th), pp1008-1009, 2011

研究者データベース

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