研究情報
加圧インナー着用によるリラックス効果
研究者名
戎 利光*、横谷 智久*
* スポーツ健康科学科
研究目的
近年、精神的なストレスを感じている人は非常に多く、その数は6割にも上るといわれている。社会人のみではなく、大学生においてもその割合は決して少なくない。
一方で、加圧インナー着用によるリラックス効果が指摘されているが、その効果を科学的に立証できれば、多くの人々が抱えるストレスを軽減できる可能性がある。加圧インナー着用の身体反応については、ほとんど科学的な研究がされていないものの商品化は期待でき、その効果を明らかにすることは非常に意義深い。
従って本研究の目的は、「疲労ストレス測定システム」(交感神経系と副交感神経系の緊張度を定量)や「加速度脈波計」(毛細血管の血液循環動態を定量)に加えて、血圧や脈拍数への影響などについても検討し、加圧インナー着用によるリラックス効果を明らかにすることである。
研究内容
「福井工業大学における人を対象とする研究倫理審査委員会」からの承認を得て、全被験者からのインフォームドコンセントを得た後に、男子大学生10名を被験者として実験を行う。実験には、「疲労ストレス測定システム」、「加速度脈波計」などを使用するが、具体的に初年度は次の手順で実験を行う。
- 加圧インナー非着用時に安静時の自律神経系緊張度を測定する(対照実験)。
- 加圧インナー着用時に安静時の自律神経系緊張度を測定する(実験1)。
- 加圧インナー着用安静時、軽負荷運動(自転車エルゴメーターを漕ぐ)直後、及び、回復時の自律神経系の緊張度を測定する(実験2)。
- 加圧インナー着用安静時、及び、深呼吸直後の自律神経系緊張度を測定する(実験3)。
- 加圧インナー着用安静時、及び、ストレッチ運動直後の自律神経系緊張度を測定する(実験4)。
- 加圧インナー着用安静時、及び、スクワット運動直後の自律神経系緊張度を測定する(実験5)。
研究成果
加圧インナー着用によるリラックス効果を科学的に明らかにした後、加圧インナー着用時の被験者の感触(爽快感、違和感など)についても調査をすることからその集計結果も考慮しながら、イーゲート株式会社の担当者を交えて着心地の良い加圧インナーを考案する。その後、これまで同様の実験を再度行い、リラックス効果が同様に得られることを確認し商品化に踏み切りたい。
研究イメージ
