研究情報
市民との協働を重視したアート・デザイン提案とその制作
研究者名
藤田 大輔*、三浦 英夫*
* デザイン学科
研究目的
本研究は、市民や利用者との協働を重視したアート・デザインについて、子どもおよび街・建築を対象とし、子どもたちの遊び場所を創出すること、デザイン提案により街や建築の魅力を高めることを目的としている。
また、上記に関わる研究手法としてカメラを用いた写真撮影実験を実施し、年齢層や言語能力に関わらない評価手法の確立を目指している。
研究内容
子どもの遊び・生活環境形成
子どもの遊び・生活環境の改善として、A)運営者・利用者を巻き込んだワークショップ形式の環境整備、B)研究者および設計者としてのデザイン提案を実施している。
- A)では、①こども園園庭に設置するツリーハウス(保育者・保護者・園児と製作)、②プレーパークに設置する居場所(利用する児童と製作)、③保育所の屋内環境改善(保育者と一緒に実践)などが挙げられる。
- B)では、④保育園園庭の設計、⑤こども園の設計、⑥家具・遊具の設計・製作などが挙げられる。
街の活性化に関わるデザイン
街や建物の活性化につながるデザイン提案を実践している。具体的には、⑦水と光で演出するインスタレーションアート、⑧複合ビルの一角で福井の地元産業をPRする空間提案、⑨宿泊施設の各室サインとマップの製作などである。
物理的環境・空間デザインの評価手法開発
人々の物理的環境に対する心理的評価を把握する手法として写真投影法およびキャプション評価法を用いた実験を実施している。
写真投影法は、カメラを被験者に渡して、ある制約のもと写真撮影をすることで心理的評価を得るものである。
キャプション評価法は、街なかの物理的要素やデザインに対して写真撮影し、その撮影理由やコメントをキャプションとして用紙に記述してもらうものである。
年齢層や言語能力に関わらず、主体的な心理的評価を実験することが可能となるよう研究を重ねている。
研究成果
これまで、①、②、⑤、⑥、⑦、⑨の6つについてはすでに研究実践を終えている。
③および④はこれまで取り組んできた調査対象では研究実践を終えたが、別の調査対象(保育園)で現在研究に取り組み、比較・考察する予定である。
⑧については、2019年度以降に本格的に研究展開するため、予備調査を終えた段階である。なお、写真投影法を用いた実験は、これまで蓄積してきた研究成果を再度分析し、日本建築学会技術報告集(査読あり)に2018年度掲載されている。
研究イメージ
