研究情報
鳥獣被害の低減に資する「ジビエ」の有効利用に関する研究
研究者名
原 道寛*、古澤 和也*、田中 智一*、矢部 希見子*
* 環境・食品科学科(2020年度より環境食品応用化学科)
研究目的
野生獣に関する問題は、里山・里地の中山間地域など切実となっている。北陸地区も例外ではない(図1)。狩猟や捕獲はその被害対策の一つとして有効ではあるものの、狩猟者数が限られていることに加え、捕獲された野生獣の多くは運び出すのが大変であるため、その場で土に埋められたり焼却されたりしている。このため、害獣駆除にあたっては捕獲後の処理をどうするのかという視点も極めて重要である。そのような中、地方によっては農林水産省および環境省の指導や独自の取り組みで、地域資源として“ジビエ(食材となる野生鳥獣の肉)(図2)”を有効活用している例もみられる。そのような背景のもと、鳥獣被害対策から安全な食品提供等の現状について全国レベルで調査するとともに、福井県内の各自治体および各種団体の対策や現状を調べ、それらの調査結果をもとに連携活動の基礎となる情報などをまとめ、市民との協働事業の立案を通して地方都市活性化に資することを目的とする。
研究内容
調査研究において、自治体・団体の関係者や地域や個人経営者とのネットワークを積極的に活用し、独自のものも構築を目指す。その際に、具体的には福井県内の食肉処理施設などのジビエ工房や猟友会に対して、課題の一つ一つを再度確認し、解決策を提示する。また、ジビエ普及に協力体制が取れる食肉処理施設や食肉加工施設、販売などジビエ関連の団体の流通に未発達の部分があることがわかっている(図3)。新たなネットワークを構築もしくは活用するとともに、現在市販・流通している商品の有効性を再認識し、活性化を見出す、また、オリジナル感覚を取り入れて、保存食等の商品の開発や調理法、肉文化が発達している欧州(フランス)料理などで使われる高付加価値をもった高級な食材への転換などを図り、地域活性化のために市民との協働議場を自治体との連携活動を中心に提案、実施する。
期待される研究成果
流通のビジネスモデルを構築し、利益が出るシステムの構築し、福井県内の各種ジビエ工房や猟友会で共有し、流通形態の確定と利益が出る関係の構築し、ジビエに関して、マニアル(成文)化や装置開発を達成し、FUTオリジナル感覚を取り入れて、保存食等の商品の開発、高付加価値をもった高級な食材やオリジナル商品として提供できる。
研究イメージ
