熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.112
スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科 2年
髙宮 千聖

theme:プロゴルフABEMAツアーでアマチュア優勝!プロの道

昨年7月の「北陸オープンゴルフトーナメント」準優勝で注目を集めた髙宮さん。2022年7月21~23日に開催された男子プロゴルフABEMAツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」にアマチュアとして出場し、優勝を勝ち取った。これを機にプロへ転向。3日間の熱戦とプロ選手としての意気込みをうかがった。

プロツアーのABEMAツアーに初出場

ABEMAツアーは、日本ゴルフツアー機構が主催する男子プロゴルフの2部トーナメントである。2022年度は全国各地で14回のツアーが予定され、去る7月21~23日、「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」が福井県あわら市「越前カントリークラブ」で開催された。出場選手150名のうち、アマチュアは主催者推薦枠で出場した4名のみ。髙宮さんは、昨年の「北陸オープンゴルフトーナメント」準優勝などの実力が高く評価され、主催者推薦を獲得。初めてのABEMAツアー出場となった。

このABEMAツアーに先立ち、「芦原ゴルフクラブ」で7月上旬に開催されたのが「第46回福井県アマチュアゴルフ選手権大会」だ。福井工業大学ゴルフ部員も出場し、髙宮さんが優勝、中嶋太造選手が3位入賞を果たしている。ABEMAツアーは、このように好調な流れの中で迎える試合となった。
 

悪天候だった予選で首位を独走し、決勝へ進出


プロゴルファーを目指している髙宮さんは、初めて出場した今回のABEMAツアーを自身の実力を試すチャンスと捉え、事前の練習ラウンドでは、グリーンの傾斜などコースを入念にチェックし戦略を立てていた。

試合は、予選2ラウンド、決勝1ラウンドで行われ、決勝へ進めるスコアのカットラインは 60位。「調子は良かったので、上位に食い込めるだろうとワクワクしながら試合に臨みました」と髙宮さん。その自信をさらに強めたのが、初日、第1ラウンドの1番ホールだった。2打目をホールまでわずか数センチの位置へつけることができ、バーディーを取っている。スタートホールでよいショットを打てたことで、以後スムーズに回ることができたそうだ。トータル62ストローク、8アンダーという成績で、2位と1打差で首位。「スコアや順位を気にせず、コースに向き合うことに集中し、終わってみたら1位だった、という感じです」。

2日目の第2ラウンドは7時前の早朝スタート。空模様が怪しくなり、3ホールを回ったところで土砂降りとなり約2時間の中断を強いられる。再開後は風が強くなり、終始悪天候との戦いとなった。精神的疲労が重なる中、髙宮さんは中断の前と後でプレーの感覚が変わらないよう、ストレッチをしながら調子を整えていたという。心身のリズムを維持できたことで再開後も落ち着いてプレーを続けることができ、1ラウンドからのトータルは127ストローク、13アンダーで首位を譲らず、2位との差を3打に広げることができたのである。
 

緊迫した闘いを制し、ABEMAツアー史上6人目のアマチュア優勝

最終日の決勝、髙宮さんと2位の嘉数光倫選手は同組で、12:00にプレーをスタート。「チャンスをうかがいながら迫ってくる嘉数選手に背中を狙われている感じだったので、自分も隙を見せないように気を引き締めました」。前半は、4番ホールで5打差に広げたものの、6番ホール以降は再び3打差に。後半に入ると嘉数選手の追い上げに、プレッシャーが高まっていく。

後半開始の10番ホール、髙宮さんがパーのところを、嘉数選手がバーディーを取り、初めて2打差になった。13番ホールで3打差に戻したものの、16番ホールは、嘉数選手がパー、髙宮さんがボギーで再び2打差に。そして、17番ホールにピンチがやってきた。「パー3を左に外すミスをして、アプローチも寄せきれずに長いパーパットが残ってしまいました。そこに、嘉数選手が長いパットを決めてバーディーを取り、1打差になってしまったんです。僕がその長いパーパットを外せば同点です。しかし、これをちゃんと決めることができ、1打差のまま18番ホールへ進みました」。

最終の18番ホール。嘉数選手が先にバーディーを取り、同点に追いつかれる。「最後のパターを決めれば勝ち。外せば同点のままプレーオフになります。嘉数選手はプロ。経験の差からもいっても、プレーオフは自分に不利だと思っていたので、絶対にこのホールで終わる、と自分に言い聞かせていました」。結果は、最後のパターを決めてバーディーを取り、1打差で勝利。3日間のトータルは196ストローク、14アンダーで、ABEMAツアー史上6人目のアマチュア優勝を果たしたのである。

「ギリギリのところでの戦いで、17番と18番の最後のパッテングは『絶対に入れる』と集中しました」と振り返る髙宮さん。プレー終了後は、優勝の実感よりも「やっと終わった」という安堵感の方が強かったとか。「クラブハウスに戻る途中、他の選手たちが待っていてくれて、『おめでとう!』ってペットボトルの水をかけられたとき、初めて『終わったんだ』と実感しました。3日間、福井工業大学のゴルフ部員などたくさんの方の声援に支えられ、本当に感謝しています」。
 


プロへの転向を決意。学業と両立させながら新たな世界へ挑む


優勝を争った嘉数選手から「本当に強かった。プロになってからまた闘おう」と激励の言葉をもらった髙宮さん。初めてのABEMAツアーの経験で、プロの世界に足を踏み入れた感触を持てたという。1年前は「在学中にプロテストに合格したい」と話していたが、優勝したことで、2年間のABEMAツアーの出場権を獲得。プロテストを経ずにプロ転向が可能に。試合が終わってすぐに、福井工業大学ゴルフ部総監督や母校である明徳義塾高校の恩師、出身地熊本の両親へ連絡を入れ念願のプロ転向を決意した。

プロ選手になると、世界で闘うチャンスが生まれるなど可能性が広がり、賞金獲得というアマチュアにはない大きな励みも得られる。「プロのレベルは格段に違いますし、上位に行ける選手は限られているので、練習しながら上を目指します」。パターの技術と、大きい試合になればなるほど燃えるメンタルが自身の強みだと話す髙宮さんだが、昨年の北陸オープンの出場選手の体を見て自身との差を感じ、その後筋力トレーニングに取り組み、筋肉量をアップさせている。「今まで多くの方に指導していただいて身につけた練習方法や試合への臨み方をこれからも続けていきます。勉強との両立は大変ですが、頑張って両立していきます」。

プロとしてのデビュー戦は8月25日から福岡県糸島市「芥屋ゴルフ倶楽部」で開催される「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント2022」だ。「小学生の頃、初めて見に行ったプロの試合がこのトーナメントでした。それがデビュー戦となり、地元九州で成長した姿を見ていただけるのは本当に嬉しい。縁を感じています」。髙宮さんの活躍への期待はますます高まっている。
 



学年学科名等は、取材時のものです。