熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.111
環境情報学部 経営情報学科 2年
見神 昂大

theme:新幹線開業を前に、福井を盛り上げたい!

北陸新幹線の福井県内開業に向けて、「地元あわら市や福井県を盛り上げたい」とまちおこしに情熱を燃やす見神さん。まちづくりグループ「あわラボ」の一員となり、イベント開催などに取り組んでいる。本活動を通して学んだことや地元あわら市への思い、卒業後の進路など今後の展望についてうかがった。

まちづくりの仕事を視野に、幅広い知識や技術を習得中


2024年春の開業に向け、金沢‐敦賀間の延伸工事が進む北陸新幹線。福井県では、芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の4駅が開業予定だ。

新幹線の駅が併設される芦原温泉駅の近くで生まれ育った見神さんが新幹線開通に関心を持ち始めたのは小学生の頃。「あわらのまちがどう変わるんだろう、と思うようになり、中学・高校時代は、駅前にどんな建物ができるのかをネットで調べたりしていました。でも、芦原温泉駅前は以前からシャッター街になっていて、新しいまちのイメージはなかなかわいてこなかったんです」。


高校入学後は、このようなまちの現状を変える方策や、県内に点在するシャッター街、過疎地域が抱える問題の解決策に思いを巡らせるようになった。そして、「まちづくりの仕事に携われる公務員を目指し、そのための勉強ができる地元の大学へ進もう」と福井工業大学環境情報学部経営情報学科を受験し合格。2年生への進級時には、公務員試験を視野に入れ、企業や地域の問題解決のための学習ができる政策システムコースを選択した。

1年生では、企業経営や経済、情報処理の基本を中心に学習。幅広い分野について学ぶ中、特に情報関係の授業で自身の成長を感じているという。「パワーポイントやエクセルで資料を作るなど、まちづくりのプレゼンにも役立つ知識や技術が身に付いたのが大きいです。情報系の先生がいらっしゃる工業大学ならではですね」。今後は、実際にまちの人の声を聞き、地域の課題解決に取り組むフィールドワーク学習にも意欲を見せている。


まちづくりグループ「あわラボ」の一員として始動

2022年3月、あわら市のまちづくりグループ「あわラボ」が結成された。メンバーは、市議会議員、旅館オーナー、歯科医の40代3名と、見神さんをはじめ10代20代の若者3名の計6名だ。見神さんが本グループの一員になったのは、2月に福井県主催で開催された「チャレンジ応援フェスティバル」に参加したことがきっかけだった。このイベントでは、地域づくり活動に取り組んできた先輩の体験発表の後、まちづくりや、子どものダンス指導などで活躍中の方々のプレゼンテーションが行われ、地域の活性化などに関心を持つ人々が参加。発表者と参加者の交流会も開かれ、そこで出会ったのがあわら市市議会議員の三上寛了さんだった。「あわらのまちの魅力や行政の取り組みを多くの人に知ってもらうにはどうしたらいいだろうという話をさせていただいたら、これから立ち上げるまちづくりグループで一緒に活動しないかと誘ってくださったのです」。

「あわラボ」は、「これからのあわら市、福井県を作るのは私たち全員である」を理念に、世代を超えた、新たなまちづくりのきっかけを提供していくことを目指している。「行政の施策や取り組み状況などを、市民、県民に広げたいというのが1番の目的です。そういった情報を私たちが把握し、わかりやすく発信していく。そうすれば、市や県の未来に関心を持っていただけるのではないかと思っています」。

活動のメインは、月1回のイベント開催だ。その打ち合わせや準備のために、毎週金曜日の夜8時に、現在休校中の新郷小学校でミーティングを実施。イベントの企画は主に見神さんたち若いメンバーが考え、年長のメンバーが専門家への講演依頼など、外部との折衝に当たっている。それまで社会人と交流する機会はほとんどなかったという見神さん。「最初は緊張しましたが、気さくな方ばかりで、楽しく活動しています」と話し、さらに、名刺の渡し方や人との接し方など、ビジネスマナーの勉強にもなっているそうだ。


活動を通してまちの課題を見つけ、解決に取り組む

「あわラボ」最初のイベントは、「世代を越えろ!多世代型まちづくりスタートアップ」と題し、3月13日、あわら市役所で開催した。福井市の「まちづくり福井株式会社」代表取締役・岩崎正夫氏を講師に招き、2年後の新幹線開通に向けてあわらを盛り上げるために取り組むべきことを考えるトークセッションを行い、さらに「世代間の分断があるのはなぜか?」「すべての世代がまちづくりに参加するために必要なことは?」をテーマに解決策を探るグループセッションを実施。あわら市内の経営者を中心に20数名が参加し、活発な意見交換が行われた。「世代間の分断については、異なる年齢層の人が集まる機会がなかったので、年代を超え、縦につながってできることを探していこうという意見が出されました。それから、これまでのまちづくりは、芦原温泉駅周辺とか、あわら湯のまち駅周辺など、エリアごとだったことを踏まえ、今後は、あわら市として一体化して進めていくのが最も重要だという考えを共有できたと思っています」。

その後、4月には過疎化対策について考える会、6月には前市長と未来のあわらを語る会を開催。今後は、毎年春に開催されている「あわら市トリムマラソン」の拡充や、まちづくりと政治への関心を高めるために、選挙の投票率向上を目指す取り組みを検討中だ。しかし、「まずは、芦原温泉駅前のシャッター街をなんとかしたい。あわららしい商店街と賑わいを作りたいです」と見神さんの思いは熱い。

地元の魅力を伝えながら、まちづくりに関わり続けたい


「あわラボ」の活動を始めたことで、あわら市の各地域で行われているまちづくりイベント、それぞれの地域にある自然や歴史を知り、新しい発見ができたと話す見神さん。「大学進学で県外に出た友人に、あわら市にも福井県にもおもしろい場所があることを伝えたい。それが観光の発展と、あわらや福井県全体の盛り上がりにつながってくれたらと思います。そのためにも、気付いていなかった地元の魅力を発信して行きたい」と、身近なところからの思いも語ってくれた。新幹線開業が近づけば、福井県全体が全国から注目されるはず。見神さんは、県全体で繰り広げるプロジェクトやイベントへの期待と関心も膨らませている。

また、このようにまちづくり活動に飛び込み、メンバーやイベント講師などに接する中で、将来の進路についても視野が広まったそうだ。「まちづくりは公務員じゃなくてもできるのではないかと思うようになりました。例えば、福井市にはまちづくり関する会社が複数ありますし、各市町には商工会議所や商工会など経営者団体もあります。公務員に限定せず、さまざまな世界に目を向け、まちづくりに関わる道を探って行きたいと思っています」。



学年学科名等は、取材時のものです。