熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.99
スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学科 4年
井元 勘太(硬式野球部前主将)

theme:全日本大学野球選手権大会 準優勝!さらに目指すは日本一

2021年6月に開催された「第70回全日本大学野球選手権記念大会」で準優勝に輝いた「福井工業大学硬式野球部」。チームの主将として選手をまとめリードしてきた井元さん。本大会にかけた思いや準優勝の喜び、監督やコーチから受けた指導、さらに今後の目標などをうかがった。

主将として率先垂範を心掛け、全日本大学野球選手権にチャレンジ

井元さんが野球部の主将を引き継いだのは昨年4月。通常なら全国大会終了後にチームが入れ替わり、主将もバトンタッチするところだが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、全国大会も春のリーグ戦も中止となり、4月早々に新チームがスタートした。170名以上の部員をまとめる主将と聞くと、押しの強い熱血漢をイメージするが、井元さんは全く異なるタイプの主将である。「僕は、強い言葉での指示や叱責がなかなかできない性格なので、誰よりも声を出したり率先して行動したりする姿を見せて部員に影響を与えていこうと思ってやってきました」。このように話す井元さんだが、試合で敗北が続いたときや、練習に気力が感じられないときなどは、部員全員を前に心を鬼にして叱咤激励してきたという。

日々の鍛錬を重ね、43回目の出場を果たした今年の全日本大学野球選手権大会。目指したのはもちろん「日本一」。しかし出場チームは強豪揃いである。「僕たちのチームのスローガンは結束力。優勝できる実力があるとはいえないけれど、その分チームの結束力を高め、チャレンジャーとして1戦1戦に臨もうと思っていました」。

監督やコーチの指導で技術、チーム力、精神力が向上


今大会で戦うに当たり下野監督からはどのような指導があったのだろうか。「リーグ戦まで続けてきたことを変えずに、これまでの工大らしくと言われました。うちは守備のチームだと思っているので、まず守備をしっかり固め、そこからよいリズムを作り、そのリズムを攻撃に繋げる。この流れを作ることを意識しました」。監督の指導に従い勝ち抜いていった選手たち。勝利を喜び高揚する気持ちを戒めたのも監督であった。「僕らの浮つく気持ちをきっちり締めてくださったのが大きかったと思います」。緊張感を保てたことが決勝進出につながったのである。

コーチの存在も大きい。硬式野球部ではプロ野球の経験を持つ2人のコーチがチーム強化に当たり、井元さんも町田野手総合コーチからバッティング指導を受けている。「町田コーチは一人ひとりに合ったバッティング指導をとても丁寧にしてくださいます。さらに各選手が自分の打順の役割を理解し、チームとしてどう攻撃していくかも細かく教えていただきました。それが準優勝につながったと思っています」。また、テクニックだけでなく、日頃から人としてどう行動するべきか、ということも指導してくれるのは真辺ヘッドコーチである。「きちんとあいさつをすること、何事も全力で取り組むことなど、人間力の部分を成長させてくださいます。その教えが部員全員に浸透しているから野球に対する気持ちがぶれないのだと思っています」。

結束力で勝利をつかみ、福井県初の全国大会準優勝に輝く

チームが一丸となり、チャレンジャーの気持ちで挑んだ全日本大学野球選手権大会。1回戦は北海学園大に11‐3でコールド勝ち。2回戦は大商大に4-1 で勝利し、準々決勝では名城大に17‐8と快勝。準決勝では福岡大に2‐0で勝ち、初の決勝進出となった。決勝では慶応大に2-13で敗れたが、福井県のチームとしては初の全国大会準優勝を成し遂げた。

「これまで42回出場してきた中でベスト4が最高記録でした。その壁を越えて決勝まで行くことができたのは一戦必勝の気持ちで戦ったからです。全国大会はどんなチームと対戦しても気が抜けず、一つのミスも許されないという緊張感やプレッシャーがあります。そういう中で一人ひとりが思い切ってプレーできたことが準優勝につながったと思います」。さらに、ベンチ入りのメンバーだけでなく、部員全員、学生コーチ、学生マネージャーなどチーム全員で勝ち取った準優勝だと力説する井元さん。「結束力でチームが一つになれたのが勝ち進めた要因だったと思います。日本一という目標を果たせなかったのは悔しいですが、初めての準優勝はやはり非常にうれしいです」。


今後はコーチとして後輩たちをサポートしながら日本一を目指す


全日本大学野球選手権が終わり、井元さんたち4年生は学生コーチとして後輩たちの指導とバックアップの役割を担うことになった。「練習の準備やグラウンドの整備など裏方としてチームを支えていきます。今まで先輩方がやってくださっていたことを引き継ぎ、その恩を後輩へ返していきます」。次こそ日本一になってほしい、と後輩たちに期待する気持ちは大きい。「準優勝まで行けることを自分たちが示すことができました。次は、最後の壁を越えて日本一を勝ち取ってもらいたいです」。

卒業後は、硬式野球部のコーチとして引き続き指導に当たる予定の井元さん。引き続き後輩たちの成長や試合での活躍を間近に見ながら、彼らと一緒にさまざまな試合での勝利を目指すことになる。指導する立場に移るに際し、これまでの試合経験を通して感じている課題も多い。「2年前の全国大会では東京六大学の明治大学に負け、今年負けた慶応義塾大学も東京六大学です。この経験で東京との差を痛感しました。体の大きさも野球の技術も、そして野球に対する執念もレベルが違います。ずっと上のレベルを目の当たりにしたので、彼らに勝ちたいという思いが強くなりました」。後輩たちにとって全国大会の決勝を経験した井元さんのアドバイスは大きな力になるはず。日本一の目標を掲げ、井元さんはこれからも硬式野球部とともに歩み続ける。



学年学科名等は、取材時のものです。