進化

大学は、教育機関であると同時に研究機関。
研究室に配属されて行う研究は、高校までとは違う大学ならではの学びです。
FUTでは、各研究室がそれぞれバラエティ豊かな研究を行っています。
ニュースなどで話題になる私たちの未来の暮らしを豊かにする最先端技術や
社会でのトレンドに大きく関わるFUTの魅力的な研究が、あなたの好奇心の扉をひらきます。

01ディープラーニング

あたかも人間と会話しているかのように反応するAIスピーカー、将棋や囲碁でプロ棋士を負かすAIの出現など、めざましい発展を遂げている人工知能(AI)。その進歩の一因となっているのが「ディープラーニング」です。「ディープラーニング」とは、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる手法のひとつ。これにより2015年には、画像認識において、AIが人間の認識精度を越えたと報告されるなど、AIの学習精度は飛躍的に向上しています。

自分に最適な「つぶやき」を収集してくれるAI。

「ディープラーニング」により、ときに人間以上の高精度な学習が可能になったAI。しかし、その性能はまだまだ限定的で、求めるタスクにあわせて最適な学習モデルを整えてやらないと、期待した反応を返してくれません。最適な学習モデルを検討するべく、研究室で取り組んでいるのがAIによるSNS分析。インターネット上の膨大なSNS投稿の中からたとえば「福井の学生はどんなことに興味があるのか」というテーマに対して情報を分析・解析し、関連のある投稿のみを収集してくれるAIシステムを開発しています。最適な学習モデルを整えることで、AI はこれからますます、私たちの暮らしを豊かにしてくれるはずです。

ディープラーニング
02廃熱利用

世界のエネルギー消費量は年々増加していますが、実にその6割以上が「廃熱」として有効に使われることなく捨てられています。
そこで近年、たとえば発電の際に発生した廃熱を、暖房や給湯に二次利用するなど、「廃熱利用」が活発化してきています。
地球環境への配慮が重要視され、省エネが叫ばれる現代において「廃熱利用」は、エネルギー利用効率を向上させる大きな可能性を秘めています。

熱音響現象の原理を紐解き、廃熱利用できる「熱音響エンジン」を。

研究室で取り組んでいるのは、「熱音響エンジン」の開発。熱により音が発生する「熱音響現象」を利用し、廃熱を使って発生させた音から動力を獲得しようという試みです。このエンジンは、ピストンやタービンといった可動部がなく、高いエネルギー効率が望めることや比較的低温の熱を利用できるなどの理由から、廃熱利用の手段として注目されています。現在は、発生する音に含まれる周波数を共鳴器によって制御することにより、より大きな動力が得られることを明らかにするなど、流体力学や熱力学を駆使した理論的なアプローチで、原理の詳細な解明を目指しています。

廃熱利用
03遊休不動産

人口減少や過疎化が問題視される今日、多くの地方で空き家が増え続けています。住人がいなくなった空き家をそのままにしておくと、治安や衛生面などでまちに悪影響を及ぼす可能性も。また、住宅だけでなく、空き店舗やテナント、廃校などの公共施設も同様の問題を抱えています。総称して「遊休不動産」と呼ばれるこれらの建物や施設。「これらをどう活用していくのか」が、地域のまちづくりにとって、大きな課題になっています。

熱音響現象の原理を紐解き、廃熱利用できる「熱音響エンジン」を。

研究室で取り組んでいるのは、「熱音響エンジン」の開発。熱により音が発生する「熱音響現象」を利用し、廃熱を使って発生させた音から動力を獲得しようという試みです。このエンジンは、ピストンやタービンといった可動部がなく、高いエネルギー効率が望めることや比較的低温の熱を利用できるなどの理由から、廃熱利用の手段として注目されています。現在は、発生する音に含まれる周波数を共鳴器によって制御することにより、より大きな動力が得られることを明らかにするなど、流体力学や熱力学を駆使した理論的なアプローチで、原理の詳細な解明を目指しています。

放射線治療
04放射性物質の汚染土壌

福島原子力発電所の事故によって放射性物質に汚染された土壌は、重機などで地表数センチをごっそり剥ぎ取るという方法で取り除かれたため、その量は膨大。東京ドーム20杯分にもおよびます。ようやく一部で中間貯蔵施設などへの輸送が始まっていますが、多くは黒い土袋に詰められ、いまだ地域に山積みにされたまま。その後の処理についてなかなか進展しない状況に、地域の人びとは不安を抱えています。

汚染された土壌だけを分離する、「汚染土壌の減容化」に成功。

実は、汚染されていない部分も大量に含まれている福島の汚染土壌。汚染されている部分だけを取り出す方法が確立されれば、劇的に量を減らす(減容化する)ことができます。研究室では、セシウムを吸着する性質をもつ粘土鉱物「バーミキュライト」が常磁性体という性質もあることに着目。これを利用し、強い磁場を用いて汚染土壌だけを分離する「磁気分離法による減容化」実験に成功しました。環境放射能除染学会での受賞など、業界から期待されているこの方法。現在、建設会社などと連携しながら、福島の土壌に適用できるよう、実用化に向けて取り組んでいます。

放射性物質の汚染土壌
05高度情報化時代

インターネットなどによって、情報の即時大量伝達が可能になった現代。昔では考えられなかったスピード感でものごとが進むようになり、人びとの時間の価値観が変化しています。たとえば、「スマートフォンでAさんとチャットをしながら、目の前のBさんと話をしている」など、「高度情報化時代」といわれている現代の人びとは、同時に複数の時間軸を生きるようになったといっても過言ではありません。

「モノ・コト+時間」で現代のライフスタイルに沿ったデザインを。

研究室では、時間という概念を取り入れ、現代のライフスタイルに沿った新しいデザインを探っています。たとえば、実際に一家全員が集まるのは限られた時間だけにも関わらず、画一的に「家族団らんの空間」として設計されたファミリー向け住宅のリビング。昼は妻がくつろぐ空間、夕方は子どもの勉強スペース、夜は主人の書斎として、時間ごとに役割が変わる空間と捉え直せば、より良い設計が生まれるかもしれません。題材は、建築やインテリアから身近なプロダクトまでさまざま。ものごとのデザインに「時間」という視点を加えれば、きっと現代の価値観を紐解く鍵となるはずです。

高度情報化時代
06耕作放棄水田

日本では近年、農家が作物を生産しなくなった「耕作放棄地」が増加しています。なかでもとくに深刻なのが水田。減反政策など、国の農業政策に加えて、農家の高齢化や農業の低収益性などにより、農業従事者自体も減少。さらに、転作しようと思っても水田を畑に整備し直すのが大変など、さまざまな要因により、作物が生産されずそのままになってしまっている「耕作放棄水田」は日本の農業の大きな課題のひとつです。

作物のタンパク質成分を分析し、湿害耐性の高いダイズを生み出す。

たとえば日本では水田転換畑で栽培されていることが多いダイズ。しかし、ダイズは本来、乾いた土地を好むため、畑の排水対策は、日本のダイズ生産者の大きな課題でした。そこで、環境により変動する作物のタンパク質について解析している当研究室では、ダイズのタンパク質成分を分析することで、水分の多い土地でもたくましく育つダイズの品種改良に着手。まだ実験室レベルですが、湿害耐性の高いダイズを生み出すことに成功しました。このように食物内のタンパク質の機能が解明されれば、今よりもっと理論的に品種改良ができるようになるはずです。

レインウォーターハーベスティング
07画像情報処理

近年、めざましい発展を遂げている人工知能(AI)の画像認識。しかし、人間が画像内のさまざまな情報から、自分の求める情報を適時読み取ることができるのに対し、AIの認識できる情報はまだまだ限定的です。この「画像から有益な情報を取り出すプロセス」をコンピュータにさせるための手法が「画像情報処理」。認識性能アップの鍵といえる技術です。

AIを利用した画像処理技術で、レントゲンやマンモグラフィなどの医療画像を解析。

医療現場では、X線CTやMRIなどの画像診断装置が活躍していますが、画像を診断するのは経験を積んだ医療従事者にしかできません。そこで研究室では数理形態学を応用した画像情報処理技術を用いて、医療画像から病変の位置を認識できる画像診断システムを開発。正確性や倫理観の観点から、あくまで診断するのは人間の医師であるべきですが、このシステムはサポートツールとして大いに役立つはずです。

ニュースポーツ
08体幹トレーニング

サッカー選手などが、練習に取りいれている「体幹トレーニング」。目に見えない体の内側を鍛えるこのトレーニングは、ダイエットにも効果的であるなどといわれ話題になり、一般の方々にも広く取り入れられるように。ほかにもさまざまな腹筋トレーニンググッズが次々と製品化されるなど、現代人の筋力トレーニングの方法は、日々進化しつづけています。

超音波測定を用いて、適切な筋力トレーニングの成果の評価法を探る。

さまざまなトレーニング方法が話題になっていますが、具体的にどれだけ成果がでているか、評価する方法はまちまちです。研究室では、超音波測定を用いて、筋肉の断面積を算出する評価法を検討。トレーニングによって実際どれだけ、どこに筋肉が増えたのかなど、適切に測定できる方法が一般化されれば、より効率の良いトレーニング方法が検討できるようになるはずです。

レインウォーターハーベスティング
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