2008年10月5日、本学金井講堂においてシンポジウム「デザインがつくる優しい未来 デザインのチカラを考える」を開催いたしました。第一線で活躍されているデザイナーの方々によるトークショーやパネルディスカッションに、会場の約400人は熱心に耳を傾けながら聞き入っていました。会場の熱い拍手に包まれながら、大盛況のうちに終了いたしました。


- 柴田文江氏(インダストリアルデザイナー)
- 塚本カナエ氏(プロダクトデザイナー)
- [コーディネーター}山内勉 本学教授 [着任予定] (プロダクトデザイナー)
第1部では、ゲストに柴田文江氏と塚本カナエ氏を招き、山内勉 本学教授(着任予定)をコーディネーターに「プロダクトデザインの現在」について話が繰り広げられました。小さな頃愛用したリカちゃん人形からデザインに興味を持ったと話す柴田氏と、昔からトイレのデザインが好きだったと話す塚本氏。お二方ともデザインに惹かれるきっかけは違うものの、「デザインが好き」という思いは一緒であり、ご自身に合ったデザインを探究し現在の職業へ活かしています。
今ではすっかりおなじみの体温計(オムロン株式会社:OMRON thermo MC-670)のデザインなど、数々の実績のある柴田氏は、デザインのあり方について、「何かをデザインする時、このものはこうあるべき、と形づくってあげることが重要。実際に使われている様子を観察し、自分が使うことを想像する。知らない人が一目みて、それが一体何かを読みとることができるようにします。」と話しており、「時には考え方をデザインする。」とのこと。
また、化粧惑星((株)資生堂)のボトルデザインをはじめ、多方面に才能を発揮されている塚本氏は、食器のデザインを中心に、活動の幅をパッケージデザインにまで広げ、様々な作品を生みだしています。「今までの概念を打ち破り、今あるモノに様々な手法でテクスチャーを加えていきます。そして新たな可能性を示してあげることが私の役割です。」と目を輝かせながら塚本氏は話されていました。特に伝統産業との結びつきは深く、陶磁器や漆器、友禅などを発想の転換から、従来あるべき姿を異なった姿へと進化させ、全く違った新境地へと導いているようです。
山内教授の「プロジェクトのデザイン発想のきっかけづくりはどこから?」という質問に対し「24時間です。」と話すお二人。「様々な物に対して、こうすると喜ぶかな?こうすると使いやすいかな?思いやりから生まれるのがデザインなのでは。」と熱く語り合いました。「好きが仕事になっている」というお二方の今後ますますのご活躍が期待されます。


- [パネリスト]
- 柴田文江氏
- 塚本カナエ氏
- 三浦英夫 本学教授(プロダクトデザイナー)
- 川島洋一 本学教授(建築家・建築史家)
- 木島剛志 本学講師(メディアデザイナー)
- [コーディネーター]服部桂氏(朝日新聞社)
第1部に引き続き、パネリストに柴田文江氏と塚本カナエ氏、そして 三浦英夫 本学教授、川島洋一 本学教授、木川剛志 本学講師を迎え、コーディネーターに朝日新聞社の服部 桂氏を招き、「デザインのチカラを考える」を題材に語って頂きました。 会場内には多くの高校生がいることもあり、和やかなムードで分かりやすくデザインについて解説されていきました。
服部氏の「デザインとは何か?」という問いかけに、柴田氏は「モノを作ったり、考えたり、そのベーシックにデザインがある。人とモノの関係をつなぐもの」とデザインの原点を話され、また、塚本氏は「ライフスタイルにフィットし、一緒に進化していくものです」と自身の旅から学んだ伝統的な建築物を題材にあげ話されました。「生活を変えるデザインで最も注目されているものは?」との服部氏の問いかけに、三浦教授は「機能性を全面に引き出し、内面にある価値を引き出すもの。それが今後のデザインを変えるのではないだろうか」と話し、川島教授は「今までは、形をつくる=美しいデザインから、見るものから見えないものを、どのように表現するかだ。」と話しました。社会現象とまでなっている@podが話題に上がり、木川講師は「@podを通して、音楽が近くなった。まさに情報をデザインしたものだ」と熱く語りました。
福井工業大学のデザイン学科新設について、塚本氏は「工業系の学校がデザイン学科をつくるということは、非常に強みです。例えば、私たちの生活の一部となっている携帯電話。中身を分かりつつ、その先を想像することで新たな何かが誕生する。工業系の大学だからこそ今後現れるモノに触れ、様々なことを思いつける。将来を見通す目の確かさを養ってほしい。」と話しました。柴田氏は「大きな夢があってデザインを学ぶこと。そして強い気持ちを持って、様々ことに挑戦してほしい。」と次世代のデザイナーたちへと呼びかけ、会場は大いに湧いた1日となりました。
デザイン学科が2009年4月開設に向けて、この度晴れて完成したデザイン学科実習室を、参加された方々に、一足先にご覧いただく完成特別見学会を開催いたしました。真新しい空間に、参加された方からは、一様に感嘆の声が上がっていました。





