熱中時間

FUTの人たちの最高の
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FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.102
工学部 建築土木工学科 3年
田村拓実

theme:二級建築士試験合格!目標に向かって着実に前進

建築士として活躍したいという目標を実現するために建築土木工学科に入学した田村さん。大学で学びながら、二級建築士試験合格を目指して勉強を重ね、2020年、2年生のときに、1回目の受験で合格。試験勉強における工夫や、思い描いている建築士としての将来についてうかがった。

「建築の世界に進みたい」。目標に持って入学

高校へ進学する前から既に建築の道へ進もうと考えていたと話す田村さん。「父が機械系の設計士で、家で仕事をすることも多く、その後ろ姿を見ながら設計の道へ進みたいと思うようになりました」。設計といっても道路や橋などの建設物、ビルや住宅などの建築物、自動車をはじめとする車両など分野はさまざま。その中で田村さんが関心を持つようになったのが、身近な住宅を中心とする建築物の設計である。将来の方向性を決めて迎えた大学受験。高校の担任の先生から教えられたのが福井工業大学建築土木工学科だった。教育設備が充実し、就職などの進路指導が手厚いことを知り、受験を決めたそうだ。
1年生では、建築土木の基礎や製図法、CADなどを学び、建築コースを選択した2年生以降は、設計や測量、建築の歴史など、専門的かつ広範な講義や演習も受講している。田村さんはこれらの知識や技術を習得しながら、「僕はアイデアを出すのが苦手なため、発想力がつくように興味をもった建築関係の本や雑誌を読むようにしています」と話し、日々向上心を持って建築士を目指している。

二級建築士の資格取得を目指し、勉強に集中


建築士になるためには、国家資格を取得しなければならない。本資格には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種があり、資格ごとに設計できる建築物の範囲が決められている。一級建築士はあらゆる規模・構造の建築物の設計が可能で、二級建築士は、延べ面積が500㎡を超える学校、病院などの特定建築物は扱えないなど設計できる建築物の規模に制限がある。また、木造建築士は小規模な木造建築の設計のみが可能だ。
田村さんの場合は、工業高校で必要単位を取得していたため、大学在学中での受験が可能であった。二級の勉強を始めたのは1年生の12月頃だった。「一級を見据えて二級に早く合格しておきたい気持ちがあったので、建築土木工学科の先生に『受けようと思うんですが、どう思われますか』と相談したところ勧めてくださったので、挑戦することにしました」。建築の現場に触れるために設計事務所などでアルバイトをする場合にも、二級試験に合格していることは役に立つに違いない。


受験のために、建築や建設関係の資格取得学内講座を受講。「視聴や課題など1日4~5時間くらいやりました。講座以外にも2~3時間勉強したと思います。講座は、しっかり予習してから受講したので、講義のときは復習している感じでした」。このように必要な知識をどんどん吸収し、さらにこれまでの試験に出題された問題に挑戦。問題の内容は、法令に基づく建築物の規模、構造などの基準や制限、正しい数値を求める計算問題の他、歴史関係の問題もあるという。「例えば、示された部屋に必要な窓の大きさを計算したり、有名な建物の設計者の名前を答えたり、かなり広い範囲に及びます」。


4人に1人の難関を突破し、晴れて合格!

田村さんが二級建築士試験を受験したのは2020年。7月に学科試験、9月に製図試験に臨んだ。「学科試験では、初めの5問くらいは習ったことがない問題が並んでいたので、少し戸惑いましたが、その後は落ち着いて解答できました」。学科試験はそれまでに得た知識や問題を解いた経験がものを言う。田村さんは、講座での勉強を予習重視で続けたことが役に立ったと感じているそうだ。また製図試験は、試験会場で建物の図面を作成する。課題の詳細は当日示され、このときは「シェアハウスを併設した高齢者夫婦の木造 2 階建て住宅」だった。手描きで約5時間かけて図面を完成させた。
結果は見事合格。二級建築士試験の合格率は近年25%前後で、2020年は26.4%。難関を突破した田村さんだが、最初は実感が湧かなかったそうだ。「みんなから『受かったんだね!』って声をかけられて徐々に現実味が出てきました。受験前にアドバイスをいただいた建築土木工学科の先生も、僕が報告するより前にご存知だったので驚きました」。

建築士の経験を積み、将来は独立して活動を


現在3年生の田村さんは、再来年春に大学を卒業し、就職先で建築の仕事を経験してから一級建築士試験を受験する予定だ。将来手掛けたいと考えているのは、木造を中心とする住宅。「木の家は鉄骨やコンクリートと違い、温もりがあるのが特徴です。そういう木造住宅の中でも、日本の木材を使った家を広めていきたいと考えています」。また、県外出身の田村さんは、福井の住宅が積雪を想定した造りになっている様子を目にし、土地による違いも勉強していくべきだと感じている。そして、昨年からのコロナ禍の影響に関しては、「やはり家で過ごす時間が長くなっているので、家族の繋がりを大切にする家づくりをしていきたいと考えています」と話してくれた。

一級建築士の資格を取り、さらに実務経験を積み重ねた後に建築士として独立したいと考えている田村さん。現在は、木造建築を主体とする設計事務所でのアルバイトにも励み、現場での学びと刺激も得ながら学生生活を送っている。「できれば卒業してから5年後、27歳くらいを目途に、遅くとも30歳までに独り立ちしたいと思っています」。目標の実現へ向かって努力する姿は清々しく、そして頼もしい。



学年学科名等は、取材時のものです。