熱中時間

FUTの人たちの最高の
時間をインタビュー
FUTの人たちはなぜ熱中しているのか。熱中するものだけが感じられる最高の時間とは何か、に密着する。

No.94
工学部機械工学科 機械システムコース 4年
東 拓海
theme:4年間の貴重で大きな学び

theme:4年間の貴重で大きな学び

今年の春から滋賀県にある企業での就職が決まっている、ひがし 拓海たくみさん。卒業を間近に控えた今、福井工業大学の学生として得た学びや経験を振り返り、卒業後の展望を語る。  

 

知識と興味を広げられるカリキュラム


 東さんの専攻は、機械工学。子どもの頃からの機械への興味と、働く上で役に立つ知識を身に着けたいとの思いから選んだという。現在取り組んでいる卒業研究の大きなテーマは、自動車などあらゆる機械に関わる「振動」の分野。アルミフレームを振動させて台車と衝突させ、振動数などの条件を変えながら、バネが他の物体と衝突した時の振れ幅などの挙動を測定、分析している。

 学部のカリキュラムの中では、熱力学をはじめ、機械工学に関わりのある基礎的な学問を学んだ。それぞれの学問に関する講義では、座学だけでなく、実験を行う講義も多く履修し、科学的な実験を行う上で必須となる考え方や手順について学び、経験を積んだ。そこで得たノウハウや知識は、卒業研究での実験にも活かされている。

 また東さんは、所属する学部・学科以外の専門分野を履修することができる「副専攻制度」を利用。専門分野以外の知見を広めたいと思った東さんは、まったく違う分野である電気電子工学科の授業を受けた。実際に講義を受けた感想として、「同じ工学と名のつく学問でも、学ぶべきことや研究の仕方が大きく違うことに驚きましたね。ですが、同時に機械工学以外への興味も広がりましたし、副専攻制度を利用したからこその発見だったと今は考えています」と目を輝かせて話す。

海外で得た大きな学び

 東さんは、英語をはじめとした海外の文化にも興味を持っていたという。「海外の人たちと交流したいという思いを以前から持っていたのですが、英会話に苦手意識がありました。そこで、1年生の時に“英会話カフェ”を利用して、英語でのコミュニケーションのスキルアップを図ったんです。」英会話カフェとは、外国人の教員と簡単なゲームや興味のある話題についてのディスカッションを通じて、学内に居ながら英会話の実践ができる場所である。放課後、自分の都合の良い時間に利用できるこのカフェに足繁く通うことで、東さんは英語で話すことへの抵抗がなくなっていったという。

 2年生の夏。次第に実際に異文化に触れたいという想いが強くなり、東さんは海外語学研修に参加した。福井工業大学では、「Overseas Challenge Program for Students(通称:OCPS)」と呼ばれる制度があり、「海外に興味がある」「留学に挑戦したい」という学生に向け、海外生活を体験できるプログラムを設け提供している。語学研修はその一つで、2週間アメリカのカリフォルニア州へ渡った。
現地ではホストファミリーのもとに東さん一人で滞在。日本語が全く通じない状況で、やはり英語での会話に苦労したという。「最初のころは、正しい英語で話そうとしすぎてしまい、なかなかスムーズに会話ができませんでした」。その後、ジェスチャーや少ない単語だけでも気持ちが伝わるとわかってから、ホストファミリーと意思疎通ができるようになっていった。「自分の思っていることを伝えたいという気持ちが、コミュニケーションする上で大切だと、実感できたように思います」と自信を持って話す。このプログラムは、現地で通学した大学の英語に関する座学だけでなく、キャンパス内にいる現地の学生に話しかけてみるということが課題として与えられ、より実践的な形で英語を使う機会が用意されていた。

 さらに東さんは、3年生の夏に海外でのインターンシップに参加した。これもOCPSで用意されたプログラムのひとつで、東さんはタイへ渡った。現地では日系企業の工場を見学したほか、およそ3週間にわたり工場で働く現地の人たちとコミュニケーションをとりながら、3人1組のチームで工場の生産性や安全性を高めるためのアイデアを考えることに取り組んだ。東さんは語学研修で培った実践的な英語を活かしながら現地の人と交流したが、“チームの目的を遂行するためにコミュニケーションをとる”、ということに、今までになかった困難を味わったという。「考え方が違う人に自分の意見を理解してもらったり、チームで協働することの難しさを経験できました。自分にとって、これまでにない大きな学びだったと思います」。


大学4年間の経験生かし、活躍していきたい


 学部での学びやOCPSでの経験を積む一方、3年生の時には大学のオープンキャンパスのスタッフリーダーとしても活動していた。オープンキャンパスは、受付やキャンパス内ツアーの案内係、学校紹介のスピーチ担当など、学生たち自身がさまざまな役割を担いながら運営している。東さんは、各学生スタッフの割り当てなど、リーダーとしてマネジメントを行いながら、オープンキャンパス当日には現場スタッフのサポート役もこなした。「オープンキャンパスの運営に参加したのは、友人に誘われておもしろそうだなという感じで、気軽な気持ちだったんです。今思えば、こういった大きなプロジェクトの責任者になれる機会なんて、そんなにないですよね。人を動かす難しさ、そして多くの人と関わりながらプロジェクトをやり遂げる達成感を味わえた、貴重な経験だったと思います」。

 東さんはこの春から、滋賀県にある、歯車製造の加工機や、精密加工機を製造する工作機械メーカーへの就職が決まっており、入社後数年は機械を購入した顧客へのメンテナンスサポートを行う部署で勤務することになっている。内定先の人事担当者からは、これまでの経験を買われてか、海外勤務を行う人材としても期待されている。もちろん東さん自身も、海外で働きたいという希望を持っている。「語学研修や海外でのインターンシップは、海外の生活に触れてみたい、異文化について知りたいという、自分の興味から参加したものでした。福井工大の制度を利用して、自分がやりたいことが実現できたと思っています。当時はあまり実感がありませんでしたが、今になって振り返ってみると、とても有意義で貴重な経験を積むことができたなと思っています。福井を離れ滋賀での社会人生活がもうすぐ始まりますが、福井工大の4年間で得た経験や学びを活かしながら、活躍できる人材になるためスキルアップしていきたいですね」と、東さんは力強く語った。



学年学科名等は、取材時のものです。